「信仰とは何か」沈黙 サイレンス しんかいぎょさんの映画レビュー(感想・評価)
信仰とは何か
劇場で見たとき、これはどういう作品なのかと興味が尽きなかった。
見終わってみれば、なぜ神は沈黙しているのか――という重すぎる問いに対する答えを探す物語だった。
ある意味サディスティックなまでのキリシタンに対する仕打ちは、昔映画館で鑑賞したメル・ギブソンの「パッション」という映画を思い起こさせた。
主人公もその師も、最終的には改宗して幕を閉じるが、彼らの信じている神は、言葉ではなく出来事を通して、ずっと彼らに道を示していたのだろうと思う。
私は日蓮宗系の在家の仏教徒であるが、彼らが最終的にキリスト教が間違っていてそれを捨てたことが正しいとか、そういう風には見ていない。
端的に言えば、「その当時の日本ではそれが正しい道だったのだ」ということだと思う。それは弾圧を正当化しているわけではなく、不幸にも既にそういう状況下にあって、一人の人間が採るべき行動という意味でのことだ。
キリスト教にしても、人々が幸せになるためのものであるはずだから、当人にはつらいだろうが、信仰者として最後の最後で、一定の答えを導き出せたのは、良かったのではないかと思う。
余談だが、アダムドライバーを見ながら「どこかで見たような...」と思いつつ、ようやく「ああ、SWのカイロレンか!」と途中で気づいた次第である(笑)
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