「それでも生き残った隠れキリシタンはすごいな。」沈黙 サイレンス ハクタカさんの映画レビュー(感想・評価)
それでも生き残った隠れキリシタンはすごいな。
故郷が長崎です。
友達にも、元同僚にもたくさんのクリスチャンがいます。
キリスト教は身近でした。
遠藤周作の原作も読んだことがあります。
長崎奉行所を再現した場所にも行ったことがあります。
隠れキリシタンの遺品やお墓を見たこともあります。
公開前からものすごく思い入れのある作品でした。
重厚感のある素晴らしい作品だと思います。
歴史を映像化するって、やっぱり大事だなと思いました。
本を読んで頭の中で想像することとはまた一味違うので。
日本人ではなく、外国の監督によってこの映画が作成されたというところで、客観的に日本を見ることができました。
「ああ、この映画、日本だけじゃなくて世界中で放映されるんだな。海外の人たちはこの史実をどう思うのかな。」と考えながら映画を見ました。
きっと当時の民衆があんなに流暢に英語を話してはいないだろうし、そもそも当時の外国語は英語ではなかっただろうし。
もっといろんな障壁がたくさんあったんだろうなと思いました。
キリスト教信者じゃない私にとっては『踏み絵』なんて大したことないって思ってしまうのに。
神様だったら、踏んだ自分の弱さだって許してくれるだろうに。
何で人を救う宗教で、人が苦しまなきゃいけないんだろう。
概ねの人が感じることと同じことを私も思いました。
キチジローに心を重ねて映画を見たので、彼が全く悪い奴には思えませんでした。
私は生まれは長崎ではありませんが、佐世保に住んでいたことがあります。その時に駅前の立派な教会をみてディズニーランドのようなこのが佐世保にあるのかなとくらいしか思っていませんでした。スナックに行ってもカウンターの中で働いている人も自分はカトリック教徒といっていた人もおりキリスト教が非常に多かったように思います。彼等キリシタンの多くは拷問を受けて死にましたが、その精神は今でも長崎に残っているとおもいます。彼等の死は無駄ではなかったと思います。