「難しいテーマですが、巨匠は見事に撮りました」沈黙 サイレンス 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
難しいテーマですが、巨匠は見事に撮りました
構想26年。マーティン・スコセッシによって、遠藤周作の小説『沈黙』の映画化。
159分にも及ぶ長い作品ですが見せます。流石にスコセッシですねぇ。それともちろん、遠藤周作の作品も良いのでしょう。時間の長さを感じさせません。加えて、キリシタン弾圧と言う非常に重いテーマを描いているのですが、非常に丁寧に描いているからか、ただ重いだけではなく、それほど重圧は感じません。
この物語で重要なポイントは、トリックスターのキチジローでしょうか?弱い者を救わなくてはならないという神父という立場では、結果として何度も騙されるような事になってしまうので心の奥底から信じることは出来ないものの、救ってしまうというロドリゴの苦悩も良くわかります。そんなキチジローを演じた窪塚洋介。最初のオーディションでは落ちていたらしいですね。それでも役を得るという所は、監督に何か感じる所が有ったのでしょうね。
イッセー尾形、彼も中々のトリックスター。実在の人物がモデルになっていますが、劇中では、さながら心理戦を駆使する取調官と言う感じですね。
それと、当初、通詞には渡辺謙が予定されていたそうですが、渡辺のスケジュールの都合上、浅野忠信に変更になっています。渡辺謙の通詞、見てみたかったですねぇ。
いやぁ、中々いい作品でした。
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