「余計な結末部分。」沈黙 サイレンス bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)
余計な結末部分。
原作を読んだのが、30年以上前の高校時代、(その頃、「沈黙」は文庫本化されていませんでした。従って、ハードカバーの本を買って、読みました)篠田正浩監督の映画を観たのが、10年程前です。もう、殆ど、話の筋も忘れていたのですが、映画を観ている間、ずっと気になっていたのが、何故、ポルトガル語ではなく、英語なのでしょう、ということです。興行的なことを考えると、ポルトガル語よりも英語、という判断が働いたのでしょうか。英語圏に住んでいない私にとっては、大変、奇異に感じられました。☆をひとつ減らしていますが、その理由は最後の一場面は不要であろう、と思ったからです。荼毘に付される場面を溶暗にして、それで終わりにすれば良かったのです。クローズアップされる最後の一場面にはキリスト教に対する信仰は揺るがなかった、とするキリスト教信者、スコセッシの主張が見て取れます。このような記述は原作にはありません。キリスト教を「是」とするヨーロッパ人の押しつけがましい主張にはいい加減、うんざりします。この場面がなければ☆5個だったのに・・・。個人的にはちょっと残念な作品でした。
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