MERU メルーのレビュー・感想・評価
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まとめ上げた構成力
基本、登山ものは大ハズレしない、と思っている。ただの好みかもしれないが。これも、まあ良い出来。
カメラマン兼登山家によるドキュメンタリーということらしいので、所謂「映画」という見方ではないかもしれない。しかし、ちゃんと作品性がある。それは、長い長い期間をストーリーとしてまとめ上げた構成力があるから。
登頂成功のチャレンジまで、前置きに半分以上の尺を使っている。そこが、すごい。というか、よく撮りためたもんだ、と作品を完成させる情熱というか持久力に感服する。
今のところの登山もの上位ランクですね。それでも「運命を分けたザイル」越えは難しい。あれこそ難攻不落の頂き状態である。インタビューカットの入れ方見ても本作もあれは意識はしたのかな、と。
浪漫の塊
登山ドキュメンタリーというより、ヒューマンドラマ
自分の命だけならまだしも、
奥さんや子どもなど背負っているものがある。
それでも危険な山に登り続ける。
仲間は皆死んでいった。本気で死と隣り合わせの山登り。
何が彼らをそうさせるのか。
これがまた浪漫というか。
ぶっちゃけてしまえばただの岩。
しかもそんなに金も名誉も手に入らない。
しいていうなら、現時点で誰も登ったことがないというだけ。
それに命を懸けて登る。しかもただ登るだけでは足りないらしい。
あえてリスキーな重病人を連れていく。普通じゃない。
だからこそ心に来るものがある。
え?しかも今の奥さんは、死んだ友人の未亡人だったって?
いやはや…超越していて、なんといっていいか。
けど、素敵なものをかんじたことだけは確か。
このくらい色々な価値観があっていい。
登らなければ狂ってしまう
気になるレビューがあったので引用
「狂気のエゴイスト。
「山に何故、登るのか」との問いに「そこに山があるからだ」と答えたのは、ジョージ・マロリーという人らしいのですが、私であれば、例え、そこに山があったとしても、決して危険を冒してまで登山することはないでしょう。山岳遭難のニュースを見るたびに、山に対する恐怖心は昂じてきます。
この映画の監督、ジミー・チンは仲間が滑落し、瀕死の重症を負っても、再度、登山に挑戦させます。映画を観ていて私はこの連中は完全に狂っていると、思いました。自分のまわりの人々をいたずらに悲しませてはいけないのです。自分の命を粗末に扱うような行為を生きがいにしてはいけないのです。何の苦労もしていないかのように、飄々と経験談を語り続けるエゴイスト、ジミー・チンの姿を見ていると怒りがこみ上げてきました。
このレビューは登山という行為を全く理解できない(理解したくもないのです)いち個人が書いた文章です。登山に理解のある人は私の意見と180度違う感想を持つことでしょう。」
このレビューを受けて、確認しておかなければならないことがある。それは、ただ一つ大事な、彼らの人生と山との関係において核心的な事実は、決して彼らは自分の命を粗末に扱っているのではないということである。それは、彼らが山に挑戦し続けないのであれば、その生き方は彼ら自身を悲しませる生き方になることに他ならないからである。
なぜなら、彼らは登らなければ狂ってしまうのだから。
なるほど、その点においては、このレビュアーはこの映画を実によく観ている。
ジミー・チンは自ら命を捨てる狂気である。
一方で、作中に「登山に命の保証はない、登山は正当化できない」という登山家の言葉があった。私はそこに、命をかけている人間にしか出せない、言葉の重たさを感じ取った。家族に悲しみを与える葛藤も描かれていた。
なぜそこまでして登るのか。登らなければ、それがなければ狂ってしまうというほどに、なぜ、何に人は命をかけるのかということを改めて考えた。
この作品を見ながら、ふと落語家の桂枝雀の生き様を思い出した。彼は、笑いに命をかけてその命を失ったが、枝雀とこの映画の3人の精神状態に大きな差異はないのではないか。彼らは、自分の人生のために、命がけでそこに立ち向かう、立ち向かわざるを得ないのである。だからこそ狂気的に映るのであるが、そこに人間としての魅力を見いださざるを得ない自分がいることに目を背けることはできなかった。
未踏峰への挑戦を撮影するという凄さ
前人未到の登頂に、カメラを持って行くということの凄さ。え、これ誰が撮ってるの?って感じですね。登りながらも撮影してるということで、本当にすごいなと。
ドキュメンタリーって知らずに身始めたんだけど、あまりにリアルな登山で、え?ってなった後にドキュメンタリーとしってなお、驚くばかり。
カメラも軽くなってるだろうし、まあ昔よりはマシ何だろうけど、こういうことができる時代。すごい映画が観れるのは幸せだなあ。
肝心の中身は、1回目の失敗とか、その後の事故だったりからの、2回目の方が危うくないか、と思わせてからの登頂なので、本当に映画のような展開。
ドキュメンタリーってのは作為的なものではあるんだけど、それでもかなり面白く見れる作品。
登頂した後に、死んだ師匠の名前を呼んで、ついに登ったぞ、というところは感動するね。
カメラマンは別にいると最初は思ってたけど、これは3人のうちの誰かが持ち回りで撮ってんだ、ってことが最後の方になってようやくわかった。
映像美の限界
圧倒的としか言いようのない映像でした。
垂直の大岩壁との極限の戦いを観たければ、この映画が最も適していると断言します。
ドキュメンタリーとしては、失礼ながら自分自身のドキュメンタリー映画の視聴経験の少なさゆえに良さがいまいち説明できません。
しかし、あの白い壁と深いブルーの空を舞台にあくまで自分の限界に挑む登山家達の内面に少し触れられた気がしました。
これは、映画のレビューとは少し離れますが、クライマーの山に対する意識というものは詰まるところ、やはり限界への挑戦なのだと思います。
その意識はそこまで特別なものではなく、むしろありふれた存在です。
例えばタイムに挑む陸上選手や、業績を伸ばそうとする経営者などです。
しかし、登頂し、生きて帰る。
その難しさを考えると、意識はもしかしたら同じでも、その行為はあまりに特殊と言わざるを得ないと思います。
登山家、ドキュメンタリー、恐るべし
映像力と構成力
まるで宇宙飛行士のよう。 登頂できなかった、骨折して登山家を引退す...
まるで宇宙飛行士のよう。
登頂できなかった、骨折して登山家を引退するしかなかった、そんな失敗経験で終わってしまう人生は選択しなかった人間を、見捨てられない気持ちはわかる。危険だし、死んでいてもおかしくない。けどたぶん、死は恥で恐怖に包まれている事象で、彼等にとってはひとつの結果でしかないんじゃないか。むしろ、希望と不安に駆られている仲間を、自分だけが支えてあげられるから、やめろとは言わなかったんじゃないか。大怪我をした仲間が意志を持って、次を目指しているのを、チームメイトが支えてくれるのは感動を禁じ得ない。本人たちには多大な見栄があるし、頑固すぎて実際馬鹿だと思う。でも結果を残してしまったんだからすごい。手放しに讃えられることではないが、人類初を成し遂げたのだから、やっぱりすごい。
極上のクライミング体験
難攻不落のメルー、シャークスフィンを登頂しようとする男達のお話。
エベレスト等とは装備も違い、シェルパもいないために自分達で100キロを超える装備を運び挑まないとダメらしい(笑)
そこまでしてなんで?w
と思ったけどなんか納得もしてしまったw
ドキュメンタリーとして作られており、みているそれはナショジオの特番みたいであったが、やはり大きなスクリーンでは感じ方がちがう。
途中から見下ろすパノラマは高い所が苦手な人は目を覆いたくなるくらい、雪を削る音、カラビナの金属音、日常では聞く事のない音がまたドキドキさせてくれる。
写真で見たことのある崖に張るテントw
いやいや、そんな事までして登りたいの?ってマジてビックリしたけど、本当に ただひたむきに上を目指す人たちには純粋にエールを送ってしまう。
スノボで雪山に行くのとは全く違う零下30度とかの世界は想像できないが、僕はどんなに勧められても勘弁したいなー。
でもてっぺんの景色は見てみたいなーw
カメラマンさんに感動
冷静と情熱の間
良いドキュメンタリーだ
なぜ山に登るのかという問いへの答え
本気で取り組む人達に感動を覚えます
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