「【デトロイトの廃墟の町 ー8Mileー に住む老人は、真からの悪人なのか? 彼を狂気の世界に誘ったのは、”国”ではないのか、と感じてしまった作品。】」ドント・ブリーズ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【デトロイトの廃墟の町 ー8Mileー に住む老人は、真からの悪人なのか? 彼を狂気の世界に誘ったのは、”国”ではないのか、と感じてしまった作品。】
ー プロットの秀逸さ故に、全米でスマッシュヒットを記録した”ホラー映画”。
だが、良く観ると今作は、ホラーテイストを帯びながらも、現代アメリカへの強烈なメッセージを含んだ社会派作品でもある。-
■感想
・主人公ロッキーの、日々屈託感を抱えながら、娘を育てる母親は、トレーラーハウスにいつものように、男を連れ込み、娘に金をたかる。
- ”8Mile"の序盤と、ほぼ同じ光景である・・。ー
◆デトロイトは、且つてはGM、フォードなどの巨大な自動車会社の繁栄により、栄えていたが、今は見る影もない。
特に、”8Mile”と呼ばれる市の中心部には、殆ど人が住んでおらず、映画の冒頭でも描かれている通り、廃墟になった建物が朽ち果てた姿で建っている。
・そのような中、いつの日か、デトロイトを脱出し、豊かな南部の海のあるカリフォルニアに住むことを夢見るロッキー。
そんなある日、ロッキーの男友達のマネーが”8Mile”の廃墟に住む盲目の老人が、ある理由から大金を隠し持っている事を話し、嫌がるアレックスを強引に誘い、老人の家へ・・。
<今作が、単なるホラー映画でない事は明らかである。
エンドロールで流れる、老人がイラク戦争に従事し、その際に盲目になった事。
娘を愛していたが、金持ちの娘にひき殺され、賠償金で事件を有耶無耶にされた事。
アメリカ人の多くが、この映画を観て、”怖さ”とともに”とても嫌な気分”になったであろうことが、容易に想像出来る作品である。>
コメントする