「ゴジラは《絶望》だ。」GODZILLA 怪獣惑星 ゼリグさんの映画レビュー(感想・評価)
ゴジラは《絶望》だ。
昭和ゴジラに対して、特に思い入れのない(もちろん全作観てはいますが)僕の個人的な考えとして、ゴジラとはただの化け物だと思っています。
だからこそ、シン・ゴジラの時は興奮したものです。
ああ、待ってたぞ!この絶望がゴジラだよ!って。
なので正直、この作品は観る前まで若干舐めてました。
シン・ゴジラ越えはさすがに無理だろうし、実写の迫力には勝てんだろうって。
いざ観てみたら、いやいや、とんでもない。
凄すぎる。
メインの戦いはとても楽しめました。
アニメという利点を最大に活かした、縦横無尽のアクションはスピード感が凄まじく、目を見張ります。
ゴジラは、犬のように尖った鼻先のデザインも格好良く、力強さがあり、恐ろしかったです。
…ただコイツね、「亜種」なんですよね。
作品のメインなのに、メインじゃないんですよ。
まだね、この「亜種」は理解できます。
確かに強いです。大きいです。ほぼ無敵です。
けど、裏を返せば「おなじみ」という事でもある。
なんだか、人類の力で倒せるのも、わからないでもない。
けど、最後に出てきたアイツは何なんですか。
山やん。正確な大きさは知らないけど、ただの山やん。
雄叫びで殲滅するって何なん。ジャイアンやん。
尻尾振っただけであの威力って何なん。
これまでのゴジラとはレベルが違いすぎる。
はい、正真正銘の化け物が登場しました。
コイツが仮にこの姿で現代にいたとしたら、シン・ゴジラの東京破壊が可愛く見える事でしょう。
いやあ、たまらないです。
どうあがいても、勝てる気がしません。
昭和ゴジラで描かれた、人類のヒーロー的な「希望」も良いですが、やっぱり個人的には、ゴジラはこうでなくちゃ。
ゴジラに味わわされる絶望ほど、素晴らしいものはないです。
初代ゴジラを初めて観た時から、それは変わりません。
三部作という事を後から知ったのですが、このままアイツが現れて終わりの、絶望的なバッドエンドでも、僕的には全然構わなかったです。
次がめちゃくちゃ気になります。
メカゴジラー!!