「老人の静かな復讐劇」手紙は憶えている かちかち映画速報さんの映画レビュー(感想・評価)
老人の静かな復讐劇
老人の静かな復讐劇。タイトルやパッケージからはふんわり系のお話かと思いきや、後味は悪かった。
この映画で考えさせられたことは2つある。
ひとつめは、「私が歴史に対して無知だった」こと。
劇中「アウシュビッツ強制収容所」「クリスタルナハト(水晶の夜)」といった用語が出てきてたが、恥ずかしながら私は詳しく知らなかった。観賞中に軽く調べて、収容所や水晶の夜で大量のユダヤ人が虐殺されていたことを知る。犠牲者の数は何百万と、ふだんのニュースで目にすることがない数字で驚いた。ユダヤ人虐殺の経緯や背景の歴史が気になったので、深堀りして知識をつけたい。
ふたつめは、「重い罪の意識はいくつになっても消えない」こと。
ゼブと老人たちが犯した罪は大量殺人なので、たしかに重い。でも、90歳近くになってまで罪悪感に縛られるものだろうか。さすがに晩年になってまで復讐に拘る必要はないんじゃないかな。ゼブが元収容所の老人を殺すのはやりすぎ。
「あなた人殺しなの?」老人が罪を告白し本名を名乗った時に、家族が驚いてドン引きしてたから老人がかわいそうだった。銃で脅され勇気を出して告白したのに。
もし私の祖父母が戦犯だと告白してきても、私は許せる。
残念だった点も2つある。
ひとつめは、「90歳の認知症とは思えない行動力」だ。
まず、90歳で1日中あちこち遠出したりする体力はないと思う。
それから、認知症のわりに思い出すのが早い。寝て起きたら記憶が飛ぶけど、手紙みたり周りの助言で次の行動を把握するのが手際よすぎる。果てには銃をぶっ放して殺人まで。そもそもあんな老人に平気で銃を売っちゃうのが不思議だ。
90歳で認知症、これを聞いたときヨボヨボで常に物忘れしているような老人を想像したけど違った。
ふたつめな、「救いようのないラスト」。
なにもゼブまで死ぬ必要なかった。まさか自殺して2人とも死亡エンドとは...せめてゼブだけは生きると思ったのだけれど。結局は黒幕のじいさんが復讐を果たして勝ちだったね。良い思いしたのは黒幕のじいさんだけ。
「復讐は正義」みたいな安っぽいメッセージだけが心に残って残念だった。
全体的には暗く決してハッピーな話ではない。
しかし、この映画は歴史に興味を持たせてくれたので感謝している。ナチスドイツやユダヤ人といったキーワードはよく映画で耳にするので、勉強しといて損はない。今後の映画鑑賞のためにも、世界大戦の歴史を勉強することにした。
なにかしら罪を抱えて生きている人は多いだろう。罪を告白されたとき、私は許してやれる人間
になりたい。。タイトルやパッケージからはふんわり系のお話かと思いきや、後味は悪かった。
この映画で考えさせられたことは2つある。
ひとつめは、「私が歴史に対して無知だった」こと。
劇中「アウシュビッツ強制収容所」「クリスタルナハト(水晶の夜)」といった用語が出てきてたが、恥ずかしながら私は詳しく知らなかった。観賞中に軽く調べて、収容所や水晶の夜で大量のユダヤ人が虐殺されていたことを知る。犠牲者の数は何百万と、ふだんのニュースで目にすることがない数字で驚いた。ユダヤ人虐殺の経緯や背景の歴史が気になったので、深堀りして知識をつけたい。
ふたつめは、「重い罪の意識はいくつになっても消えない」こと。
ゼブと老人たちが犯した罪は大量殺人なので、たしかに重い。でも、90歳近くになってまで罪悪感に縛られるものだろうか。さすがに晩年になってまで復讐に拘る必要はないんじゃないかな。ゼブが元収容所の老人を殺すのはやりすぎ。
「あなた人殺しなの?」老人が罪を告白し本名を名乗った時に、家族が驚いてドン引きしてたから老人がかわいそうだった。銃で脅され勇気を出して告白したのに。
もし私の祖父母が戦犯だと告白してきても、私は許せる。
残念だった点も2つある。
ひとつめは、「90歳の認知症とは思えない行動力」だ。
まず、90歳で1日中あちこち遠出したりする体力はないと思う。
それから、認知症のわりに思い出すのが早い。寝て起きたら記憶が飛ぶけど、手紙みたり周りの助言で次の行動を把握するのが手際よすぎる。果てには銃をぶっ放して殺人まで。そもそもあんな老人に平気で銃を売っちゃうのが不思議だ。
90歳で認知症、これを聞いたときヨボヨボで常に物忘れしているような老人を想像したけど違った。
ふたつめな、「救いようのないラスト」。
なにもゼブまで死ぬ必要なかった。まさか自殺して2人とも死亡エンドとは...せめてゼブだけは生きると思ったのだけれど。結局は黒幕のじいさんが復讐を果たして勝ちだったね。良い思いしたのは黒幕のじいさんだけ。
「復讐は正義」みたいな安っぽいメッセージだけが心に残って残念だった。
全体的には暗く決してハッピーな話ではない。
しかし、この映画は歴史に興味を持たせてくれたので感謝している。ナチスドイツやユダヤ人といったキーワードはよく映画で耳にするので、勉強しといて損はない。今後の映画鑑賞のためにも、世界大戦の歴史を勉強することにした。
なにかしら罪を抱えて生きている人は多いだろう。罪を告白されたとき、私は許してやれる人間
になりたい。