「爺さん版ビックリものサスペンス」手紙は憶えている 巫女雷男さんの映画レビュー(感想・評価)
爺さん版ビックリものサスペンス
90歳認知症男性ゼヴが老人ホームにてマックスと出会い、共にアウシュビッツ収容所出身だという事を知る。
マックスから昔ゼヴの家族を殺し、今でも元ナチス・アウシュビッツ監守人が偽名にて亡命し生きている事を知り、探し復讐しようとする。
別映画「家(うち)へ帰ろう」や「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」などに描かれる、現代でありながらギリギリ第二次世界大戦時頃の過去出来事をモチーフに出来る(現代老人を使う)内容の映画である。
冒頭が「何故ゼヴが行かなきゃならんのよ?自分でも覚えていない家族殺しの犯人を探しに?」とツッコミ所満載だが、これが成立しないと全体話が成立しない訳(認知症で回避)であり、逆に言えば戦犯監守人探しへの誘導が雑とも思えてしまった。
悪い所を最初に書いてしまったが、逆に(脚本的に)奥さんを亡くした後に行動させている訳、途中探していた人物はユダヤ人以外で収容された同性愛者等、行き着く認知症ゼヴに所々工夫がより面白く感じさせた。
まぁ、「(ボケてもいないのに)昔の事だから忘れちまった」と都合の悪い事はとぼけて終わらせる現代老人に対し、言い逃れ出来ない一泡吹かせる様なエンドは良かった。
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