ケアニン　あなたでよかった

介護の現場というのは３Kのイメージが付きまとい、且つ賃金も安いという近寄りがたい職場というのが一般的な見方であろう。 実際に高齢者の認知症や身体介護に向き合うというのは肉体的にも精神的にも過酷な現場であると思う。 ただそういったデメリットな部分をクローズアップするのでもなく、また感動作として美化する事も無く、介護の現場をありのままに描いた事がこの作品の素晴らしさに繋がっていると思う。 誰もが直面するであろう老いに対する不安や苦しみに寄り添う介護職員の姿には神の領域にも似た神々しさを感じるのは自分だけであろうか！？ ”ありがとう”という言葉がこれほど日常的に使われる職場、そんなにはないと思う。 今一度、しっかりとみんなが見つめ直すべき素晴らしい作品に出会えた事に感謝！！

介護は相手を観察して、何をするのかを考え続ける仕事。実に面白い。 介護の仕事をする「目的」は、自分の中からエナジーが湧いてくるのを感じ、人として成長すること。 「目標」は相手が幸せを感じられること、不安を解消すること。 介護はお金を満たしてくれる仕事ではない。お金が欲しかったら泥棒でも詐欺でもやれば良い。 残念ながら適性が無いにもかかわらず「仕事が他に無いから」働いている人が少なくないのは事実。 介護は間違いなく「無くてはならない」仕事です。 自信と誇りを持つかどうかは各自が決めれば良い。

正直演技は見れたものでは無い、そうたかをくくっていた。 しかしいざ見てみるとどうだろう。 現場の悲惨さや理想と現実のギャップもしっかり描かれていて、その先に見えてくる看取りに至るまでのプロセスまで丁寧に描かれていた。

介護福祉士会総会後に出席者と鑑賞しました。高齢者がどうしたら、幸せな人生を送ることができるのか、勉強になりました。