「オダギリジョー好演」エルネスト まりぽっささんの映画レビュー(感想・評価)
オダギリジョー好演
まず何より、全編に渡りスペイン語で演じきったオダギリジョーに拍手!
発音もちゃんとしてたし、相当練習したか、元から多少喋ることができたのか、お陰でそこに意識をとられること無く鑑賞。
「淡々と描き過ぎ」という評価も解らなくはないが、起伏の激しい作品ばかりが映画ではない。
もし主人公がもっと劇的な人生を歩んだのであれば、もっと早くに世に名前が出ていただろう。
戦争や革命においては、名も無き多くの戦士たちの、それぞれの小さなストーリーが沢山あって、そういうものが人知れず消えていき、やがて忘れられてしまう。
そのほんの一部、平凡な日常を送っていた若者にスポットライトを当てることで、そこに暮していた人にとって革命がいかに切実な出来事であったか、そして、そこに身を投じた若者のなかには日系人もいたという事実を通して、バックグラウンドをも越えて目指した世界というものを抽象的に描いたのではなかろうか。
人知れず消えてしまいそうな事柄に目を向けること、そこに思いを馳せること、そして想像すること、そういう積み重ねが、人の心を豊かにしてくれるのではないだろうか。
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