「35年振りの続編は…」ブレードランナー 2049 としぱぱさんの映画レビュー(感想・評価)
35年振りの続編は…
スターウォーズの爆発的な大衆的なムーブメントと違いカルトなジワジワと広がったブレードランナーの作品評価は良くも悪くも正に対称的でした。その正統派の続編はSF映画としての出来は凄くレベルアップしていました。前作が脚本に多少問題があり謎が謎を呼びマニアにカルトな人気を誇っただけに別バージョンが2つも作られた。それだけに今回の見所はストーリーにあると期待していました。単純比較は出来ないけど最後まで目を離せない展開が続き楽しむことが出来ました。前作を下地に話が広がりレプリカントの種をテーマに1人のレプリカントブレードランナーの物語が進む。ラララランドのライアン・ゴズリングが主人公のK捜査官を演じているがこれが良かった。そして老いたデッカードを演じるお馴染みハリソン・フォード。AIジョイ演じるアナ・デ・アルマスが大層な美人でとても気に入りました。その中でライアンはレプリカント故の無機質感と段々と明白になる人間との子供かもしれないと言う狭間の思いに葛藤し苦しむ見事な演技を見せている。1作品としての完成度はこだわりのリドリー・スコットが監修しただけあり数倍に出来はいい。ただ、完璧すぎて観客があれこれ空想して楽しむ遊びが無く、前作とは全く見所が違います。興行収入や評価は悪くなかったみたいですが、完成度が高かっただけにワクワク感は少し下がりました。見終わった後の感想はドキドキ感や高揚感はなく納得感が満たされたのであった。