「Kの義務とは」ブレードランナー 2049 コウヘイさんの映画レビュー(感想・評価)
Kの義務とは
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80年代作風の脚本が優れていた映画の時代に戻れた。
前作同様ハッピーエンドではない今作。
まずこれが個人的に条件だった。
主人公は物語の激流と自分の植え付けられた記憶に翻弄されるK。
自分は何者かと悩む姿は切なく、ジョイというホログラムの恋人を愛し、AIであるがゆえに実体のない恋人を抱く姿は哀しく、美しい。
愚直に突き進む姿は、力強く、脆い。
ライアン ゴズリング、アナ デ アルマス2人とも影のある雰囲気、憂いを感じる表情をまとい、それでも美しかった。
ドゥニ ヴィルヌーヴ、リドリー スコット、2人のアート系の映像作家は期待を裏切らなかった。地続きで映像を進化させ、混沌とした街は変わらず、非常なマイナーな、細かい部分の進化という、この世界のリアリティがある。
悪玉を倒して、平和になるなんてご都合の良い展開ではなく、ただ時間を追う毎に傷ついていく。あまりに理不尽。
前作、今作とも、敵を倒して笑顔なんてものはなし。撃った後の顔は悲しみそのもの。
自分の義務は果たしたと倒れるKは最期に何を思ったのか。
前作ブレードランナーは1番ではないのだが、1番見ている作品かもしれない。何気にディスクを手にし、何度も世界に浸っている。
今作もそうなるかもしれない。
もう一度見に行くことにしよう。
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