「スコット翁のsoulは何処へ」ブレードランナー 2049 AKIRAさんの映画レビュー(感想・評価)
スコット翁のsoulは何処へ
待ちに待った2049、予習の意味でブレードランナーファイナルカットは先週丸の内ピカデリーで観てきました。昔、ビデオでは何度となく観ては途中ウトウトしてしまい、もしかしたら通して観たのは初めてかも。
さて、2049、監督はドゥニ・ヴィルニーブ、撮影はロジャー・ディーキンス、音楽はヨハン・ヨハンソンと思いきやハンス・ジマー。私的には現在考えられる最強のタッグと言ってもいいかも。それはそれは期待も高まります。
2049のLA、その世界は正しくブレードランナーで描かれた2019の延長でした。但し、街は2019と比べると清浄化されたのか、かなりスッキリした様子。前作であった頽廃して死に逝く街のカタルシスは少しなりを潜めてたような気がします。しかし多くの日本語が聞こえてくる街はやはりブレードランナーの世界。ディーキンスさん、良い仕事しています。また街並みだけでなく、印影に富んだウォレス社、核の影響で死んだ街、頽廃した街の水が海に流れていく様、エルビスの前での銃撃戦、そして全てと対照的な雪景色。ジマーの音楽と相まってとても印象的なシークエンスがいっぱいありました。
SONYの広告はいけ好かないけど。
今度のブレードランナーはレプリカント。前作同様にアンドロイドのsoulとアイデンティティを求めて探す旅。そして奇跡とその奇跡を武器に世界の変貌させようとするレプリカント。Kも最後はAIだけでなく、より人間らしく人としてのアイデンティティを確立して行くのでしょうか。
折り紙の件りは嬉しかったですが、ハリソン君はハン・ソロに見えるし、レイチェルの場面ではローグワンのレイア姫のようにどうしても違和感がありました。
それにしてもJOIちゃんは是非手に入れたいAIです。
さて、スコット翁の近作はエイリアン・コベナント。こちらもアンドロイドが人間と同じ様に生命を生み出すことに取り憑かれて行く話でした。スコット翁のsoulは救われることはあるのか?