オクジャ okjaのレビュー・感想・評価
全31件中、1~20件目を表示
ブラックファンタジー大作!
ハリウッドの資本をバックに
ティルダ・スウィントン
ジェイク・ジレンホール
ポール・ダノ
等のハリウッド俳優が豪華にキャスティングされつつ、主演は無名の韓国人俳優アン・ソヒョン。
テーマとしては普遍的だが
ストーリー展開はさすが!
韓国からアメリカへ海を越えての群像劇は
グエムル-漢江の怪物-をよりスケールアップした
まさにビッグバジェット作品といえる。
Netflixオリジナル作品という理由で
カンヌでは色々騒動に巻き込まれたが
ここまでアンチアメリカ的思想を掲げる作風を
意外にもハリウッドが受け入れる構造が面白い。
本作ではチョイ役ながら印象的だったチェ・ウシクは、次回作のパラサイト半地下の家族で
大ブレイクすることになる。
ついにポン・ジュノ「オクジャ okja」を観る。サムギョプサルとデ...
食物連鎖に是非はない
ポン・ジュノの才能はやはりすごいと思った。
決して啓蒙的な作品ではなく、ただただ事実を描いている。ミジャだって冒頭から魚を獲って食べているし、(多分食べるために)ニワトリを飼っている。助けたいのはオクジャであって、スーパーピッグ全体ではない。加工場では悲しい顔をしていたけど、きっとこれからも豚肉は食べるだろう。
でも、それが全てだと思う。私たちは誰しも、生きるために食べている。もちろんより環境に優しい生き方や、ビーガンという選択肢はあっても、地球や動物を傷付けない生き方はないはず。名前をつけたペットには感情移入するけど、家畜は別。ミジャも結局最後は商売をしただけで、そこに崇高な使命感はないはず。
ポン・ジュノ監督はそこに是も非も付け加えず、ただ私たちが勝手に何かを感じ取るだけ。
とても面白い
【現代社会の遺伝子組み換え問題を含めた食肉供給システムに対するシニカル思考を絡めた、ポン・ジュノ節炸裂のコメディ寓話。】
■冒頭から、ポン・ジュノ風味炸裂の作品である。
”ミランド・グループ”を率いる金髪CEOルーシー・ミランド(ティルダ・スウィントン:ポン・ジュノ監督は、この名女優のこういう使い方が大好き・・。)はNYの大舞台で華々しく全世界に宣言する。
”スーパー子豚 26匹の将来性を!”
〈以下、ネタバレ含みます。〉
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そして、10年後、舞台はNYの遥か遠くから始まる。
奥深い山岳地帯で、チェ・ミジャと”オクジャ”(デカイ!)は、仲良く暮らしている。
ミジャが祖父ヒボンと暮らす山小屋には、「スーパーピッグ契約農家認定証」が慎ましく掲げられている。
そこに息を切らしながら登場する、ムンドおじさんとジョニー博士(ジェイク・ギレンホール:ホント、カメレオン俳優ですね・・(褒めてます))。
”マジカル・アニマル”のTV取材である・・。
そして、ヒボンからミジャに渡される”金の豚”。ヒボンが呟く、”オクジャは遠くに行くし・・”という言葉。
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ミジャはオクジャが一時的に送られた、韓国ソウルのミランド社韓国支店へ行くが・・。
そこに現れる、「ALF:動物解放戦線」のメンバー達。リーダーはポール・ダノ演じる”ジェイ” メンバーには通訳のレッド(リリー・コリンズ)他。
オクジャを救出しようと、奮闘。そして、オクジャに”ある装置”を装着する。
ー豪華なキャスティングだなあ・・。そして、”何だかおバカな展開”になってきたよ・・。-
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舞台はNYへ。
”ベスト・スーパー・ピッグ・コンテスト”会場に再び現れた、ジョニー博士!。(で、あっさりヤラレテ退場・・)
ALFのメンバーは仕掛けておいた”ある装置”の映像を映し出すが・・
ーここら辺、可成りストーリー展開が粗い。-
で、ゴタゴタの中満を期して登場するのは、CEOルーシー・ミランドの姉、前CEOナンシー・ミランド。(ティルダ・スウィントン:ポン・ジュノ監督、遣りたい放題である・・)
冷静にルーシーの所業に対処するナンシー。
オクジャも処分される直前まで行くが、ミジャが取りだした”金の豚”と引き換えに、オクジャはミジャの元へ。
そして、ミジャはオクジャと小さな”スーパー・ピッグを連れて、あの山奥へ・・。
<面白かったよ、ポン・ジュノ監督。
この作品に”一捻り半”を加えての”パラサイト”だったんだね!。>
ポン・ジュノが真剣にはしゃいだらこうなった。
この作品とにかく楽しい!
ポンジュノ監督お得意の下ネタは排除し、純粋なコメディとして笑いに磨きがかかり純粋に面白い!ポンジュノならツッコミどころのない作品を作れるのにあえて隙だらけのツッコミどころがあったりと比較的自由が効くネットフリックスだからこそ作れた作品。
序盤はちょっとイマイチかな?って思ったけどオクジャの迎えが来てからはまさにジェットコースターみたいな展開。
しかし舐めてはいけない!
お得意の後半から急に「人は動物の肉を食べている」という普遍的な社会派要素があり笑い話では済まなくなる。
ポンジュノ監督の才能がいい感じに発揮されたファミリー映画だと自分は思っている。
追記
何故今作がR15なのかが理解できない。
動物虐待シーンはあるけど教育上によろしくない要素は無かった気がする。制限つけるとしてもPG12が妥当だろう。
テーマに納得が行かない
面白かった。
オクジャのビジュアルも良かったし、
大好きなジェイクギレンホールもキレキレで良かった。
端役たちも行き届いてたと思うし、
コイツら連れて世界に乗り込みます。
と言う韓国側の配役も良かった。
単純な愛するペットを取り戻すと言う展開から、
後半はテーマが見えて来る。
家畜をこうやって殺して加工して僕らは食べてるんですよ。
と、それでも食べますか?って問われても
僕は食べます。
そこは分かってるけどぼんやりで良いんじゃないだろうか?見せる必要があるのかなと疑問に思いました。
解放組の方には、色んな人種がいたのも、
各国で行われてるのですよ。
今こそ立ち上がるべきなんじゃないか?
と言う問いかけのようにと思った。
遺伝子操作はダメ、そもそも家畜だって動物、
では猟は?魚はオッケーか?
みたいな事な気がする。
それでも、僕が今作で思った事は、
今、口にしてるその肉は
一つの命を奪ったと言う事を分かって命を頂く。
と言う事。
それでも僕は肉を食べます。
でも食べるよね。 ただ、たぶんいずれは、肉を作り出す方法なりが確立...
オクジャ可愛い可愛い!
豚肉が食べられなくなる映画www
とにかくオクジャが可愛くて可愛くて。
ボンジュノ監督の他の作品が観たくて検索、すぐに観られた作品。
この頃には予算がなかったのか、カメラマンが違うのか、パラサイトほど演出が凝っていたわけではないけれど、
この監督のいたずら心みたいな感覚が理解できると、
それをすぐに見つけられる。
テルダ・ウインストンを起用したのは正解でしたね。
こういう役をやらせたら彼女が一番上手い。
とにかく監督のいいたいことが手に取るように解るというのは、
観客はこんなにも安心するものなのだというサンプルのような作品。
きっと彼は、ものすごく中身が乙女なのかもしれないw
劇中の「翻訳は大事」に関しての表現の仕方。
仲間を想う心。
少女とオクジャの間の関係性、どれもこれも愛に溢れている。
ほぼ結末に思いっきり胸が締め付けられるシーンがある。
あぁ、もう、食べられないよ!!
お肉なんか食べなくても生きていけるよ。
消費がなければ生産もされないが、それを生業としている家族が路頭に迷う。
いったいどうしたらいいんだあああああ!!!
とにかく今はオクジャ可愛い可愛い!で集結しておく。
ペットとの違いは、個人の「主観」
パラサイトをきっかけにポンジュノ監督の作品が観たくて観てみたが、良かった。
絵的にはかなりダイナミックで、社会的な大きな課題をエンターテインメントとしてしっかり楽しませながら観させる。ペットとご飯の違いはなんなのか。純真無垢な少女の表情も最後少し違うように魅せる絵は本当に綺麗。少女の家も食べるための鶏を飼ってる絵を見せて、食事のシーンで終わるのも重く考えさせるシーン。
工場のシーンはかなり衝撃的だったけど、実際とあまり違いないんだろうな。
確かに食品から大きな協賛をもらっているテレビとかでは流せない作品かもしれない。
動物愛護団体も、食品会社もかなり皮肉に見せている。でも一方で、個人個人の主観は共感も出来るところを残しつつ、共感しきらせないのがポンジュノ監督の作品のすごいところかもしれない。
愛の線引き
個人評価:3.5
後半までは本題に対してアプローチが少なく、よくある退屈なストーリーだが、後半にギュと駆け足でテーマを伝えてくるので、1時間映画くらいでよいかもしれない。
家畜と食の考え方をテーマに、動物愛護と家畜の線引きを上手く描いている。動物愛護の団体はその線引きを一切せず、菜食主義を貫き、動物全てを愛するが、少女はしっかりと線引きしている。家では鶏を飼い、鶏肉が入ったスープが好物だという。またオクジャの屠畜場では、せめてオクジャを連れ戻せればという気持ちは、その愛を向ける線引きをしっかりとしている。
最後のおじいちゃんと食卓を囲み、家畜の鶏の鳴き声が聞こえる中、食事をするラストカットは、まさにテーマを詰め込んだポン・ジュノ節である。
ただ大好きな怪優ジェイク・ギレンホールがいい役でなかったのは残念。
金の豚
生ける物を食さねば長らえぬ。生死を敬遠できる世の中にあってそれを直視する。生死も身近にあるミジャの暮らしと食肉解体場のコントラストが効いている。
教条を行動原理に頼み、仲間を総括するポールダノ、風評を気にする妹、ビジネスのロジックに頼る姉、生きる糧を志向する祖父、ミジャの鶏と豚との違いなど個々の矛盾を現しながら、その相剋の行方を追う。この辺の多様な盛り込み方はさすがの出来映え。
特筆すべきはジェイクギレンホールのぶっ飛んだ演技。
動物愛護テロに肩入れする気はないが、化粧品における兎の扱いや実験動物などと食肉や繁殖の類は問われ方も異なる訳で、この内容で彼らを論じることはできない。また、遺伝子組換えのリスクについてはあまり論じられておらず、最後に付け足すならば、そっちではないのかと思った。
深読みしてみました。
遺伝子組み換えによる、スーパーピグレットを排出するミランダ社。
遺伝子組み換えの事実は伏せ、26匹を26ヶ所で育て、成長を競うコンペティションを開催。
そのうちの一匹、オクジャを育てた韓国の山奥に住む少女ミジャとお爺さん。
優秀なスーパーピッグと認定されたオクジャは、食用として潰される運命となったが…。
キャストが良かったので観てみたけれど、結局はエゴのぶつかり合いって感じかな。
動物達の開放の為に活動しているポール・ダノと、リリー・コリンズ。良い感じだし、少女との約束は良いけど 本当に開放したいなら(現実的に全てのスーパーピッグの開放は無理でも)もう少し果敢に挑んで欲しかったかな。
オクジャだけ特別扱いはどうかなと。
それに いくらスーパーピッグの餌や排泄物が少ないと言っても、育て上げるのに10年とか長過ぎ。デカイだけに場所も必要だし、そんな豚止めなさいと言いたい(笑)。
今は、気候変動についてや、畜産が地球環境を壊している原因など、色々と言われていますが、結局は豚さんは遺伝子組み換えではなく、自然に囲まれてストレスなく育てるのが一番美味しいけど、感情を持ってる生き物だからそれらを食べることについて、もう一度考えてみてくれってことだったのかなぁ?って推察しました。
今は、気候変動や それに伴う肉食の停止、パーム油の問題に、アマゾン火災。問題は山積みだけど、気候変動についてちゃんと考えて欲しいなーと改めて思った。
私は殆ど肉は食べないし、卵は平飼いのみ、牛乳も飲まないことを選んでかなり経ちますけど、別にヴィーガンになろうとも今は思わない。でも、他の人達にも環境のことをもう少し考えて欲しいと思いました…。
出だしの期待感とは違った
鯨より賢そうだけどアメリカ人食べるの?
オクジャたち、かなり知能が高そうで反捕鯨の人たちの理論だと食べちゃダメな気がした。そもそもあの大きさになるのに10年かかると食糧難の解決にはならないのでは。豚の方が効率いいよね。
オープニングのプレゼンがディズニーランドっぽくて皮肉が効いてていい。そこでかかるのがアイズレーブラザーズ!随所に織り込まれる笑いも好き。田舎の風景がすごくよくて、太古は日本と繋がってたんだなあと感じた。
鶏肉食べてたし、オクジャを救いたいというのは偽善的なのは織り込み済みなんだと思う。結局は資本主義の理論に回収されてしまうわけだし、全体的に皮肉なのでは。
運転手が保険なしだったり、屠場はメキシコ人ばかりだったり、小ネタもピリッと。
ポンジュノは相変わらず庶民の描写がいいなあ。
なぜかナースが日本語で「うるさいわね!」っていうんだけど、クレジットだと中国系の人っぽいしあのセリフわざわざ言わせたのかな。
エゴのぶつかり合い
ネットだけでは勿体無い
『河童のクゥと夏休み』×『ソイレント・グリーン』
ポン・ジュノ最新作をNetflixでようやく鑑賞。まず何よりオクジャが可愛い!ブタとカバを融合したようなビジュアルの実在感が素晴らしい。だからこそ『河童のクゥと夏休み』×『ソイレント・グリーン』な展開がキツくもある。少女の通過儀礼を描いた成長物語としても感動的
動物愛護団体が何でもかんでも先回り出来過ぎやけどあれはフランク(『ブレイキング・バッド』のガス!)が手引きしとったという理解でいいんだろうか?結末も綺麗事でお茶を濁すんじゃなくて主人公のミジャが資本主義と一応の折り合いをつけるというのも上手い
ミジャとオクジャが彼女達だけの言葉で話すのが可愛いんよな
ポン・ジュノは前作の『スノーピアサー』も『ソイレント・グリーン』感があったな
とはいえポン・ジュノ最高傑作は未だに『殺人の追憶』だと思う。最高に狂ってる(褒めてます)のは『母なる証明』。この邦題は死ぬほど素晴らしいな
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