「本当に嫌な奴なんていない」幸せなひとりぼっち yamappleさんの映画レビュー(感想・評価)
本当に嫌な奴なんていない
逐一いろんな人の行動に難癖をつける気難しい孤独な老人、オーヴェ。ルールを守らなければ怒鳴る、口も悪くていちいち人をイライラさせる。自暴自棄になり、何度も自殺に挑戦するが、毎回邪魔が入って失敗する。
でも、そんなオーヴェが半年前まで一緒にいた愛する妻、ソーニャとどんな人生を送ったのか。それを見ると彼がなぜこうなってしまったのかが見えて来る。
生真面目で頑固だったところは昔から変わらないが、愛する妻のために家や学校の家具類を作り直したり、一生懸命、素晴らしく生きていた過去があったのだ。
妻の死後は隣人に厳しかったオーヴェも、結局心を開いて、やっぱり良いおじいさんに戻っていく。なぜか子供達だけは、最初からオーヴェに懐いていたのを見ると、子供って純粋だから、悪い人じゃないことを直感的にわかっていたのかなー?
結局いろんな人のお世話をして、愛されて、最後はみんなに見送られて亡くなる、心温まるストーリー。
私たちは結局、お互いの一面しか知らない。でも、こうやって知っていくと、本当に嫌な人なんてなかなかいないだろうな、って思ってしまった。
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