「ソーニャが素晴らしい。そして猫さまが麗しい。」幸せなひとりぼっち だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
ソーニャが素晴らしい。そして猫さまが麗しい。
なんでそんなにサーブが好きで、なんでそんなにボルボがきらいなのかしらんけど、こだわりが強すぎて面倒なおじさんでしたが、なんだか憎めませんでした。
生い立ちのせつなさもあると思います。
お父さんの死因かわいそうすぎるし、ソーニャがもう切ない。
ソーニャがとってもヘルシーでセクシーでチャーミングで、
とっても好きなタイプの女性だったのです。
ソーニャの魅力がオーヴェのアクを和らげてくれたように
思います。
大きなお口で豪快に笑い、キスは積極的で、かっこいい。
素敵な人だったですよ。
あとは猫ね。外猫ってことは野良?でも見た目が、
ノルウェージャンフォレストキャットかセルカークレクッスか
はたまたラグドールかメインクーン的な、美しい猫さまでした。
思い込みが激しくて、正しさに取りつかれていて、
文句言いながら助けてくれるオーヴェが、自殺せずに
生きることにしたのに、発作起こして亡くなってしまうってね。つらかったわ。
万人受けするための大味感もあります。
人物造形が荒っぽいというか、
結構話の筋を面白くさせるために、都合よく事故とか死を
はさむっていうあんまり好ましくない手法がちらほらするの
ですが、
それでもちょっといいなーと思ってしまうのが、くやしいかったです。
家を立ち退きさせた役所の人への恨みが、
通行禁止の私道を車で走る、いけ好かない福祉系の役所の人に
転嫁されてたり、あんまりいい態度とは思えないオーヴェですが、
お隣のペルシャ系妻を助け、その子供を愛し、
妻の教え子を助ける(いやいやだけどね)など、
とってもいい人でもあって。
いいところもいっぱいあって、でもやなやつでもあって、
でもやっぱいい人で、ええ、けっこう素直に号泣いたしました。
たった一人をずっと愛するって、できるのか、
それとも結構あることなのか、私にはわからないんですけどね、あった方がいいんじゃん?という気持ちにはなれます。
オーヴェの前で、ドイツ車やらアメ車を自慢したらどんなことになるんでしょうね。