劇場公開日 2017年6月10日

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「なんでわしが総理の時にこんな大事件ばかり起こるんじゃ!」22年目の告白 私が殺人犯です kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0なんでわしが総理の時にこんな大事件ばかり起こるんじゃ!

2019年4月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

 1995年1月17日、阪神・淡路大震災発生。3月にはオウム真理教による地下鉄サリン事件。そしてこの5連続絞殺人事件。本当にあった話ならばかなり小さく扱われた事件だったかもしれない。世の中は世紀末思想に走ってるんじゃないかとも噂された時期、この2年後に神戸連続児童殺傷事件が起こる・・・

 映画では冒頭から震災の映像を流し、殺人事件の時効廃止の説明が行われ、文句はあるまいなと訴えてきてるようでした。すなわち連続殺人事件は15年という時効が存在するときに行われ、2010年には刑事訴訟法改正が行われたもののギリギリ時効になってしまっているのだ。そこから7年経ち、真犯人が堂々とメディアの前に顔を出し、告白本まで出版するというおぞましさ。被害者遺族からの恨みやバッシングなどもある中で、出版記念サイン会などで殺人犯を支持した狂信的なファンにも囲まれたりする。神戸連続児童殺傷事件における少年Aも一部で神のように崇められていたことも思い出しますが、映画ファンならば『デスノート』のキラも思い出されます・・・なんとその殺人犯曽根崎とキラが同じ藤原竜也だった!

 やがてテレビ局も曽根崎にインタビューすることになり、「NEWS EYES」のメインキャスター仙堂(仲村トオル)が大役を買って出る。彼は事件前は渡部陽一氏のような戦場カメラマンであり、フリージャーナリストとして連続殺人事件を扱ったことによって今の地位となっていた。曽根崎がテレビ出演を果たした直後、「俺が真犯人だ」と訴えてくる者が現れた・・・

 韓国映画『殺人の告白』がオリジナル。未見なので何とも比較のしようがありませんが、今作の場合、年齢設定に突っ込みどころがあったり、遺族たちが犯人を殺したいほどに復讐心を駆り立てられるという不自然さもある。現実では4番目の被害者遺族の山縣医師(岩松了)の対応が最もリアルだと思います(尤も、これには裏があったわけだが・・・)。

 22年もの月日は復讐心をかなり和らげてくれると思いますが、今更名乗り出ることの意味は真犯人をあぶり出すための計画されたものだったとわかり、謎も氷解。上手く作られてます。もっと納得がいったのはエンドロールで渡部陽一の名を見つけたことでした!

kossy