「面白かったけど、やっぱり『サイタマノラッパー』みたいな映画が見たいような気がする。」22年目の告白 私が殺人犯です Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
面白かったけど、やっぱり『サイタマノラッパー』みたいな映画が見たいような気がする。
最近日本映画でよく見かける感じのクライムサスペンス物。
原作は韓国映画らしいけど、内容的には『64』みたいな感じでした。
こういうのは犯人のキャラ設定にかなり無理があるものがほとんどで、最初は面白そうだけれど、最後はかなり変な感じで終わるものが多い。
でもこの映画はそれに近いものはあるけれども、ぎりぎりそうなってなかった。
どんでん返しがあるのだけれども、これも現実にはありえないと思うけれど、映画的にはアリかな?ぐらいのレベルだった。
現実の出来事もうまく盛り込んでいるし、登場人物の設定や人数、配役もちょうどいい感じ。
特に藤原さんがよかった。
同じような作品で『藁の楯』にも犯人役で出ているし、刑事役は大沢たかおさんではなく伊藤英明さんになっているけれども、似たようなイメージの人なので、『藁の楯』と一緒にセットで楽しむのもいいかもしれない。
入江悠監督が好きなので見たのだけれども、いろいろちょうどいい感じで、うまく組み合わせてあって、監督の才能は感じたけれども、入江悠監督らしい作風はなかった。
原作物だからしょうがないのかもしれないけれど、なんとなく不満だった。
メジャーデビュー2作目の『ジョーカーゲーム』から変わったような気がする。
『ジョーカーゲーム』は週末興行収入1位になれなかったけれど、この映画は1位になったので、これで名実供にメジャー監督の仲間入りということになった。
売れるためにはしょうがないのかもしれないけれど、こういうありきたりの映画ではなくて、出世作の『サイタマノラッパー』みたいな映画が見たかった。
でも、やったとしても、ああいうダメ男が主人公の地味な映画では、興行的に当たるわけがないのでやむおえないのかもしれない。
同時期にテレビの深夜ドラマで、なぜか入江監督が『サイタマノラッパー』の続編やっていて、なんでやっているのかよくわからなかった。
でもこの映画みたら、宣伝的なものもあるのだろうけど、今までのファンに申し訳ない気持ちとか、やりたいことできない不満みたいなものもあるのかもしれないと思った。