「メッセージ性が薄弱で常套に嵌ったネタ」22年目の告白 私が殺人犯です こと☆さんの映画レビュー(感想・評価)
メッセージ性が薄弱で常套に嵌ったネタ
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1995年に起こった連続殺人事件の殺人犯が、15年の時効が経ったあと、2017年に姿を現し、犯行の真相を告白する手記を出版し、世間を騒がせた。しかし手記には真実が語られておらず、本当のミステリーはそこから始まっていた。
どんでん返しの連続で、サスペンス映画として出来は良いかもしれないが、結局この映画は何を伝えたいだろう、という観点で考えると、メッセージ性が薄弱で深みに欠ける作品と言わざるを得ない。時効が過ぎたため法律で裁けない殺人犯が乗り出し、堂々と世の中を騒がせるということを通して、時効や法律の意義などについて探求する作品かと思えば、そんな志が全く無く、結局乗り出した殺人犯は真の殺人犯ではなく、真の殺人犯を捕まえるために動き出したい被害者の婚約者。そして真の殺人犯は紛争地域で大事な人を殺され、心的外傷を負ったジャーナリストと来た。またしても「殺人の動機」に「精神疾患」という安易な解を与える結末。その種明かしには正直がっかりした、ネタ自体も取ってつけたようなもので前半ではまるで伏線が無く、必然性も無い。それでもサスペンスとしてはまあまあ良いから星4つを与えようと思ったが、蛇足としか言いようがないラストシーンには本当に冷めた。多くても星3.5しか付けられない。
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