劇場公開日 2017年6月10日

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「映像・音・脚本・物語のテーマ、全部が完璧!」22年目の告白 私が殺人犯です 裏窓のミケさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映像・音・脚本・物語のテーマ、全部が完璧!

2017年6月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

これは、ネタバレなしでは感想が書きづらい!

ただ、上半期邦画ではベスト級の
映画であることは間違い無しだと感じました!

1995年の映像と2017年で
「フィルム」と「デジタルシネマカメラ」を使い分ける
撮影技術!

とくに、1995年当時の画面の「ザラつき」を
生かした画づくりは一級品!

音についても、途中でさり気なく入ってくる
「ピー」という音で観客と物語との間に距離を置くことで
観客を相対化する演出方法!
いままでの日本映画には無かったので斬新でした!

そして、「脚本分析」(スクリプトドクター)を入れて
「第37稿」までリライトを重ねた脚本には目立ったスキがなくて
とっても面白いです!

そして、事件の真相を通じて
「法律がダメなら、正義の鉄槌を下す”べき”」という
「正義」に基づく「~であるべき論」を
「報道」という分野に持ち込むことで
社会に憎悪が蔓延して生きづらい世の中になっていく
日本社会・報道のあり方に警鐘を鳴らすという社会批評性と
エンターテインメント作品としての痛快さの双方を兼ね備えた
稀有な作品として

「22年目の告白 私が殺人犯です」は
とても大きな価値のある作品ではないかと思います!

裏窓のミケ