「原作ファンとしてはショック」ナラタージュ ちー太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
原作ファンとしてはショック
映画としては普通に良い映画でした。
でも、原作ファンとしては細かい所が原作とは違っていて本当に原作を読んだのかな?という印象でした。
泉は有村架純は可愛いすぎる気もするけど合っていました。松潤はやっぱり葉山先生ではないなと思ったし、もう少し線が細い感じの人の方が良かった。小野くんは原作より今っぽい雰囲気になっていて将来の夢が教師から靴職人になっていたり、関西出身やバイクに乗っていたりと色々違いすぎでした。
志緒もイメージと違うし、黒川はただのお調子者みたいになってて威厳がまるでないし新堂くんはもっと冷めてるイメージだけどそうでもないし。柚子ちゃんはすごくイメージにピッタリでした。
また、小野くんが泉が葉山先生に当てた手紙を読んでしまったシーンでは手紙の封はビリビリに破かれていて、原作では慎重に破いてまた戻しているのに正反対のことがされてるし、柚子ちゃんの事が泉のナレーションだけで簡単に片付けられていたり
泉と葉山先生が身体を重ねるシーンも「これしかなかったのか、僕が君にあげられるものは。ほかにはなにもないのか」という原作のセリフをいれてほしかった。その後もあっさり終わってしまって葉山先生の気持ちは最後までわからずじまい。
原作通り葉山先生の気持ちを泉に知ってほしかった。
原作を知ってる人にとってはすごくモヤモヤする映画だと思う。
細かいところでいうと最初の誕生日を祝うシーンのケーキがチョコレートケーキから生クリームのケーキになっていたのも地味にショックだった。
島本理生の食べ物の描写も好きなので。
でも、小野くんと泉の喧嘩のシーンは忠実に再現してあるなと思いました。
原作ファン、特に何度も何度も読み返してる人にとっては見ない方が良いと思います。
それか、映画と原作はまた違うものと割り切って見るぶんには良い映画だと思います。
でも、小説としては長い方だしあれだけの話を1本の映画にまとめたのは本当にすごいと思いました。