劇場公開日 2017年10月7日

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「予想以上の面白さ」ナラタージュ SHさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0予想以上の面白さ

2017年10月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

小説も読んでないし、内容もレビューも全く確認しないまま観賞。行定勲が監督、有村架純と松本潤が出演ということだけ認識していた。
恋愛を題材にしていた作品なんだろうけど、単純な恋愛物語ではなかった。それを良いと捉えるか悪いと捉えるかで、この作品の評価が大きく分かれるような気がした。
個人的には、非常に楽しめた作品だった。劇団というものを扱っているからなのか、わざとらしい大げさな演技に大いに笑い、相変わらずナチュラルで目茶苦茶うまい有村架純に感心し、つくりすぎている印象だった松本潤のキャラに疑問や不安や笑いなど催しつつ結果納得させられたような感じだったし、どうしても好きになれない坂口健太郎のサイテーな演技にイライラや怒りを感じつつ、こういった感情が沸き上がってくる俳優坂口健太郎にも感心してしまったし、非常に静かで長い作品だったけれども全く飽きることなく最後まで色々と楽しむことができた。
何といっても複雑に絡み合う映像が秀逸。混乱と錯綜を招きかねない時間軸の絡み合いは、幻想的な雰囲気を醸し出し、静寂に包まれた世界観を大いに盛り上げていたように思う。
美しすぎてかっこつけた映像・ストーリー展開だったけれども、色々とツッコミどころもしっかりと盛り込まれていたようにも思えたので、予想以上に面白い作品だなと思ってしまった。キャスティングも細かいところまで絶妙だったのかなーとも感じたし、とにかく探せばたくさん楽しみどころが見つかる──恋愛映画と断じてしまうにはあまりにももったいない、優れた作品だと感じた。

SH