「美しくて哀しい。余韻がすごいです。」ナラタージュ レインさんの映画レビュー(感想・評価)
美しくて哀しい。余韻がすごいです。
普段、面白かったー!楽しかったー!と満足しても、次の日まで余韻をひきずるような映画にはあまり出会えませんが、これはすごいです。
ジャンルは確かにラブストーリーなんですが、見ている最中からどんどん自分の過去の出来事や普段は胸の奥の方にしまわれている感情とリンクして、それは恋愛のことだけではなくて、人生や生死にも及びました。
主役の2人の目線や表情が本当に素晴らしくてひきずりこまれました。わたしは女性ですが、泉だけでなく、葉山先生にも感情移入しました。
松本潤さんも有村架純さんも、完全に役の人物を、その人生を生きていました。
お互いがお互いを必要としているのに、色々な背景があって、離れる方を選ばざるをえない。そんな中でのラブシーンは哀しく美しく、号泣してしまいました。エンドロールが終わるまでに涙を止めるのが大変でした。
でも普通は一晩寝ればすっきりすることの方が多いのに、今回は数日経ってもまだこの映画について考えてしまう自分がいます。
台詞が少ないので、余白が多く、悪くいうと説明不足ですが、これでよかったと思います。
見る人によって感じ方が異なる。これが映画というものではないでしょうか。最近は説明し過ぎで、自分でここまで感じたり考えたりする作品が少ないように思います。
さすが行定監督作品で、映像がとても美しいです。光、影、色、どの場面も美しくて、次回見る時はもっと細部まで見たいと思います。
街の風景や美術も素晴らしかったです。特に葉山先生の家の中が素敵でした。
これはスクリーンで見るべき映画だと思います。
近いうちにもう一度見に行きたいと思っています。
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