「久々にこのような映画でもいいじゃん」ナラタージュ レインオさんの映画レビュー(感想・評価)
久々にこのような映画でもいいじゃん
久々に行定さんのこの映画を見たら、今年こんな映画初めてかもと思う。
なかなかさほどにない雰囲気の流れる映画だと思うので、新鮮だったし、まあー映画館でこんな時間を少してもいいじゃないと思った。
特に雨の日で一人鑑賞でいいかも。
ほぼ原作を忠実に踏まえた作品だ。
時間を短縮するため省略したところもあるが。そのため、人物や出来事への理解も影響を与える一面もあるかもしれないが、全体の基調はよいので、まあ大した問題はないはず。
もともとこういう物語だったら、きっと私も葉山先生のこと好きにならないだろうけど、
この作品(特に原作)は上手なシネマティックな(言語的な)表現で、繊細に人それぞれの感情を描けた。そのため、誰のせいでもないと感じられる。
特にラブストーリーとか苦手でも、原作を読んだ時、二人の思いにかなり感動した。
だから葉山先生がずるいと言ったら、むしろ泉も彼女なりに一方的に自分の思いを先生に加担したりして...論理的に考えづらいことばかりなのだ。
だから行定監督はちょうど監督なりのセンスで、色彩やカメラワーク、さらに小道具や雨で感性を訴える。カメラだったら、ローアングルは人の立ち止まり、揺れるショットは心の不安定、フォーカスは思いの塊を伝える。最後電車から後景に残って、どんどん消えていく葉山先生の姿を撮影したショットもお見事。などなど。
ありふれた物語だが、行定監督とそのキャストたちによって一味違うものに仕上げられているに違いない。
スローペースだが、ショット一つ一つゆっくり味わえるところもいい。
ラブストーリー苦手の点も含めて全体3.5
キャストよく頑張ったところにプラス0.5
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