「一方通行の恋は、交わることがないもの。」ナラタージュ ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
一方通行の恋は、交わることがないもの。
「一生愛している…。」
「それがたとえ叶わないと分かっていても」
そんな心の声が聞こえてきそうな、恋愛映画でした。
報われなくても、相手を好きだから、一方的な想いばかりが続いてしまう現実…。
それでも、本気で人を愛せるだなんて、羨ましい限りです。
ですが、余りにも気持ちが強いと、ストーカーのようになってしまうのも事実。
家の前で待ち伏せしたり、彼女の手帳を見たり、夜中に電話をしたり、ここに出てくる3人ともストーカーにしかみえませんでした。
お互いの好きな相手は決まっているのに、分かり合えない不条理な関係。
必死になればなるほど、相手の気持ちが離れてしまうののが、切なく悲しいです。
そして、燃え上がる炎が激しいほど、その火力の衰えも素早勢いもの…。
あんなに、恋に熱くなっていたはずなのに、燃え尽きた瞬間あっさりと恋が終わってしまいます。
終焉を迎えた後に残るのは、涙に濡れた瞳と、痛いほど突き刺さる相手の優しかった笑顔…。
全てを捧げた恋だからこそ、胸をえぐられるような悲しみが押し寄せるのでしょう。
どうか、誰か一人でも幸せな人生を歩んで欲しいと願いたくなるラストでした。
松本潤さんの寡黙でしっとりとした演技と、有村架純さんの優しく悲しい瞳。
そして、坂口健太郎さんの真っ直ぐて脆い気持ち。
それぞれの芯に迫る演技に引き込まれました。
ですが、誰にも共感できず、観終わった後のとてつもない疲労感が全身を包みました。
恋とはこんなにエネルギーを費やすものなのでしょうか?
暫く、精神的に参りそうです。
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