「切り口上がないぞ!」マグニフィセント・セブン Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
切り口上がないぞ!
"今どきだなぁ"と思うのは、今回はダイバーシティ(diversity)版になっていること。七人の傭兵は、白人、黒人、メキシコ人、アイルランド人にネイティブアメリカン、韓国人・・・そして依頼主は女性である。ユニバーサルな配慮のカタマリ。
十分に楽しめる作品であると同時に、複雑な気持ちにさせられる。なぜなら多くの人がまだまだ映画に、"新しさ"を求めていると信じたいから。
これは、もはや歌舞伎の十八番(おはこ)のひとつのようなもので、映画を知っている人ほど楽しめる、"通"のものである。
"Classical"と"Contemporary"のある、他の芸術分野と比較して、わずか100年余りしかない"映画"の中で、近代演劇・小説をネタにしたものは別として、こんな"枯れた"趣向は必要なのだろうか。誤解を恐れずに言えば、ついに"ネタ切れ"なのか。
それにしても、仕掛けに誘い込んで爆薬でまるごと吹っ飛ばしたり、袋小路に追い込んで一人ずつ仕留めたり、"型"をしっかりと踏襲していて、アントワン・フークア監督の並々ならぬ原作リスペクトである。ガンアクションのカッコ良さは、"いまの見得は美しかったなぁ"と呟いたりして。
オリジナルとの違いは、各人の動機が違うことと、恋愛要素がないこと。
この出し物は、「本当に勝ったのは農民たちだ、俺たちじゃない」が、"切口上"なわけで、これがない! ただ去っていくのは、とてつもなく残念。
"まずは今日は、これぎり"
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