「優しい気持ちになれるファンタジックホラー」ソムニア 悪夢の少年 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0優しい気持ちになれるファンタジックホラー

2019年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 息子を亡くしてからは夫婦揃ってセラピーに通うほど失意のどん底だったマークとジェシー。8歳の少年コーディの里親となり、新たな人生を歩もうとしていたが、死んだ息子ショーンの写真や映像を見せた晩には死んだはずのショーンが目の前に現れたのだ。やがて、カラフルな蝶たちとショーンの亡霊はコーディの見る夢が具現化したものだと気づく。

 特にジェシーはもっともっとショーンに会いたいがためにコーディに夢を見させるよう努力するのだ。しかし、コーディには良い夢も見るけど、悪夢も見る。彼が名付けたキャンカーマンだ!彼の実母もキャンカーマンに連れ去られたと信じるコーディ少年。クラスのいじめっ子もキャンカーマンに襲わせ、行方不明となった・・・

 夢をコントロールできるなら、これほど幸せなことはない。だが、悪意のキャンカーマンは突然襲ってくる。怖くなったコーディは不眠症に陥り、看護師ジェシーは子供用の睡眠薬を処方してもらうことに。だけど、彼が起きられなくなると、キャンカーマンも退治できない・・・と、ついに悪夢が現実となり、夫のマークがキャンカーマンに連れ去られてしまうのだった。

 幻想的な蝶や会いたい人に会える幸せな夢、そしてキャンカーマンの悪夢が表裏一体となる。映写機代わりにしてしまってごめんね・・・などと、ジェシーも反省するのだが、時すでに遅し。都合のいい夢だけ見るなんて考えが甘かった。なんとか夫を取り戻そうと奔走するジェシーであった。終わり方もジェシーが再び心を入れ替え、ハッピーエンディングに向かわせようとするのがいい。

 子供の記憶はあやふやであるというのがよくできた設定であり、新しいモンスターの登場にもわくわくさせられました。死因のトップを走り続ける病気なんてリアルすぎるから、今後はキャンカーマンを使おうかな。
 「この度はご愁傷様。お若いのに、死因はなんですの?」「実はキャンカーマンに連れ去られまして・・・」

kossy