「内容がない単なるギャグ映画」銀魂 hhhさんの映画レビュー(感想・評価)
内容がない単なるギャグ映画
原作ファンです。星に反して毒を吐きます。
CGの荒さとか、コスプレ感とか、棒読みの俳優がいるとか、そういうのは全然アリだと思うんです。それが「味」として監督を任されたのだから。
ストーリーやセリフが変わってしまうのも当然です。都合があるのだろうから。
でもね、作品と向き合う姿勢が悪いのが本当に許せない。
銀魂はふざけた漫画ですが、作っている側は大真面目。
真面目に不真面目。だから面白いのです。
まず気になったのがあの舞台挨拶。グダグダ、ダラダラ。
監督が役者さんを差し置いてベラベラと喋る喋る。
それなのに映画に込めた想いとか、テーマとかそういう重要なことは全然喋らない。
着ている服と同じくらい自己主張が激しい。映画自体も自己満足な部分が相応にあります。
小栗さんに至っては、挨拶の最後に「俺が(最後に)締めるの?」と嫌々。
貴方は何しに来たんですか。銀さん役も本当は乗り気じゃないのでしょうね。
見どころを聞かれても、「見どころは~、なんですかねぇ~」と、主役どころの出演者が分かっていない始末。
終始、オッサン同士で悪ふざけしているだけの舞台挨拶でした。
この映画が勇者ヨシヒコならそれでも許されるのでしょうが、これは銀魂です。
福田ファン以外にも、銀魂ファンもいれば、役者ファンもいます。
原作ファンなんかは、期待と不安を抱えて複雑な心境で観に来ています。これまで応援してきた作品が、あんなおふざけで作られていると知ったらどう感じるでしょうか。
そういうのを分かっている振舞ではありませんでした。そもそも、大人の振舞ではありませんでした。
「いろんな人に見て欲しい」、「家族で見て欲しい」などと、どの口が言っているのかと耳を疑いたくなります。
本当にそう思っているのなら、それなりの態度をしてください。
若手俳優の方が、よっぽど場をわきまえていました。原作ファンをリスぺクトし、質問にも的確に答えていました。少しは見習ってほしい。監督。楽しくやるのは結構だが、せめて道理は通せと。
それでも、作品が良いのならオールオーケーだと考えて鑑賞しました。視点を変えて2回。
何を伝えたいのか、全く分かりませんでした。
引き込まれるものが無く、ただひたすらに長く感じる。先の展開も気にならない。
なるほど。監督が舞台挨拶で作品について語らなかったのは、中身がないから。語れる程のものが無いからだと納得しました。
銀魂の持ち味である「ギャグとシリアスの融合」も無い。むしろギャグとシリアスが喧嘩している。どっちつかずで中途半端。
シリアスなシーンをかみしめる間も無く不必要なギャグを挟む。「ここで笑え」という押し付け。
笑えない、泣けもしないまま置いて行かれます。
最後に銀さんが良い事を言っても、そこに至るまでの想い入れがないので全然響きません。中身のない、単なるギャグ映画です。
そう、この作品には、粋も、情緒も、生き様も、何も描かれていません。
「銀魂」である必要性がまったく感じられない。なぜ作ったのか。本当に、甘い蜜を吸いに来た虫のようです。
NGシーンを使ったのも分別が無い。本当にすぐに分かるNG。
単純に菜々緒さんが気の毒です。そんなシーンはエンディングなり、特典映像で披露してください。
本編で流したいのなら、どうぞ深夜ドラマででもやっていてください。
俳優さんが役に徹し、体当たりで演技しているというのに、監督が「これはウケるだろう」という安易な編集をしているのが見え見え。お遊戯じゃないんです。金取ってるんです。
人の失敗で笑わせようなんて、プロの笑わせ方ではない。
はっきり言って、男子中学生が「バカなことやってる俺、面白いだろ」とおちゃらけているようにしか見えません。
誰か、勘違いを指摘できる人はいなかったのでしょうか。
子供心を持った大人に作って欲しかった。大人になれなかった中年オヤジに作って欲しかったんじゃない。残念です。
この監督に映画は無理。
実写化による付加価値がつけられていないし、原作を再現している訳でもない。そもそも映画として耐え得る出来栄えではない。
星は5をくれてやるから、ワーさんナーさんには早急に上映を打ち切って欲しい。
でないと、これから公開を控えている他の実写化作品に悪影響を及ぼします。
以上、お目汚し失礼しました。
>kei3bee3さん
コメントありがとうございます。
私は未だにモヤモヤしています。
辛口レビューを書きはしましたが、
私にはまだ「楽しみたい」という気持ちが残っているようです。
どうしたら本作を楽しく鑑賞出来るのか。もう一度考えてみました。
恐らくですがこの作品、観る側にも真面目に観て貰うつもりは無いのではないでしょうか。
友達と酒を交わしながら、頭空っぽにしてワイワイ見る。
そういう類の娯楽なのでしょう。
それならば、映画としての出来栄えに拘らないのも理解ができる。
これが、他の方のレビューを見ながら導き出した私なりの結論です。
とは言え、3回目の鑑賞には耐えられそうにありませんので、次は海賊の方を観ます。
kei3bee3さんが素敵な映画と巡り合えますように。
全くの同意見です。
観始めたばかりの時、観ている最中、観終えてから・・・ずっと何がモヤモヤしてるんだろう自分・・・と言う私の気持ちをまさに代弁してくれた感想に大感謝です。
私はこれ、2回はとても観れません。
そしてやる気のない舞台挨拶やベラベラ喋り過ぎる監督に、私も共感は一切持てません。