「コメディエンヌ綾瀬はるか」本能寺ホテル 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)
コメディエンヌ綾瀬はるか
綾瀬はるかは去年公開の「高台家の人々」でもそのコメディエンヌぶりを遺憾なく発揮していたが、この人が出ると映画全体から力が抜けて気楽に見られる作品に早変わりする。それは悪い意味ではなく、時代劇だろうがラブストーリーだろうが、それらを全部等身大の自分の日常に引き戻すパワーがあるということだ。それは演技力というよりも綾瀬はるかというキャラクターによると思う。是非今後は三谷幸喜の映画や舞台にも出てほしい。
ストーリーは大方の予想通り、綾瀬はるかがタイムスリップして本能寺の変の当時の本能寺に行ってしまうスラップスティック(ドタバタ)喜劇だが、現在と過去には綾瀬はるか以外に何の接点もなく、何の類似もないというところが却って潔い。現在と過去がシンクロしあってストーリーが進むのかなと思っていた。まあ、忙しいフジテレビの制作で、そこまで手の込んだ脚本は書けなかったのかもしれない───という疑問には蓋をしておくことにする。
堤真一はこのところテレビドラマのスーパーサラリーマン役で演じている脱力系のイメージがあったが、硬派の演技もできるちゃんとした俳優なんだと改めて見直してしまった。
ヒマな時にストレス解消で観るのに最適の映画である。
コメントする