「本末転倒な孤闘」ジャック・リーチャー NEVER GO BACK 全竜(3代目)さんの映画レビュー(感想・評価)
本末転倒な孤闘
久し振りに洋画を観たい心持ちとなり、ハリウッドスターの真打トム・クルーズ主演のアクションシリーズ第2弾を選ぶ。
元米軍のスゴ腕特命捜査官が暗躍する巨悪組織を己の拳で一網打尽にしていくのが、主な筋道で、前作『アウトロー』は銃乱射事件の背景に隠れた企みを暴くサスペンスタッチが強かったのに対し、今回は軍部で私腹を肥やす幹部の陰謀で、濡れ衣を着せられたうえ、雇われた殺し屋軍団に追われるバイオレンス大作に仕上がっているのだが。。。
う〰〰む。。。
軍部組織の人間関係をムリヤリ複雑化しているけど、結局は、身内の裏切りの応酬によるゴタゴタやないかと、ネチネチ進む内輪揉めにウンザリしてしまった。
アンタ方のお家騒動なんか知らんがなの一言である。
シネマ坊主時代の松本人志流に例えたら、《マッチポンプの最たるモノや》と一蹴したい。
利己的思想の代表者ドナルド・トランプが大統領に就任したばかりなので、尚更、冷めた眼で追い、途中から眠くなる一方だった。
もう1つの看板シリーズ『ミッション・インポッシブル』とは差別化したいのか、頭脳&団体芸で乗り越えるスパイアクションとは対照的に、一匹狼トム・クルーズが自らの拳を振り回す肉弾戦がメインとなり、其れなりに区分けされていたのだが、今回は、同じく罠にハメられた女性大佐とトム・クルーズの娘らしき少女と組み、さすらいの復讐に燃え、旅に出る。
ロードムービーの要素を組み込んだ鉄拳道中が核と云いつつ、相棒の女戦士とは口論ばかりで終始ウルサい。
喧しいから独りで静かに闘えよって直ぐツッコミたくなる始末
。
娘に至っては、哀しいかな。。。
チッ〰〰とも可愛くない。
万引きを得意にしてどうすんねん!クソ生意気なだけで、命懸けで守る意味が有るのか甚だ疑問だ。
女優目当てに劇場へ出掛ける映キチにとって、果てしなく致命的である。
最初っから独りで闘えばエエのに。
って云うか、前作の相棒ロバート・デュバルはドコ行ったんやろ。。。
本末転倒な孤独がハナに突く映画である。
では、最後に短歌を一首
『血をたどり 闇の濃さ追う 狼(イヌ)の影 拳に裁く 星の分け前』
by全竜