「もう寝たくない」ライト/オフ MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)
もう寝たくない
暗闇=怖いという思いは子供の頃は必ずといっても良いほど感じるものだ。人間の本能とも言えるその感情を最大限いじめるのが本作。もともと動画サイトに上げられた動画が元ネタだが、こんな手垢の付きまくったテーマでよくここまで怖がらさせてくれたものだ。
インパクト大の恐怖描写だが、母親と娘の想いが一つになるまでを描いた家族のドラマでもある。娘の為に覚悟を決め、「それ」に挑む母の表情は何とも言えない。 母娘にとって驚異となるのは怪異そのものである事に間違いは無いが、自分自身との対峙でもあったのだろう。
登場する幽霊は完全に化け物。Jホラーにはまず登場しないだろうビジュアルの持ち主だ。生い立ちはやはり不憫であるが、本編が80分弱と短いため、細かな背景はそれほど丁寧には描いていない。
怪異現象は恐らく前から発生していたのだろうが、なぜこのタイミングでここまでの事態に発展したのか等は分からず、また、養父と主人公の関係などはほとんど描かれていない部分もある。これらも本編の短さと関係しているだろうが、本作の醍醐味は何といっても恐怖シーン。せっかくのホラーだ。ここを楽しまなくては。
小学生の時に観ていたら間違いなく夜一人で寝れなくなっただろう。「インシディアス」等でもあったが、電気をパチパチ付け、何回目かの暗いタイミングで急に近くに来るのは反則だ。他の作品でも何度も飛び上がった演出だが、そればっかりやられるとかなり参る。ぜひ部屋は明るくして観て欲しい。
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