「葛藤」東京喰種 トーキョーグール ガブさんの映画レビュー(感想・評価)
葛藤
ゾンビやグールといった類は全く興味がなく、東京喰種という名は聞いたことがありましたが名前からいわゆるグールが出てくる作品なのかなと特に興味も湧かず過ごしてきました。
劇場予告を初めて観たときに窪田くんが主演だった事。
グールが想像してた姿と全然違うと思った事。
一番大きかったのは「BANKA」という主題歌。
何故だか私にはとても響く歌で以来、毎日の様に聴いてました。
そういう事もあって知識は皆無でしたが興味が湧き観にいってきました。
金木がグール化した後の腹を空かせた時の窪田くんの怪演や人を食べるか迷い葛藤してる姿が良かったです。
金木が暴走気味になるのはグールの本能なんだろうか?
リゼの影響なんだろうか?
はたまた金木の本質なんだろうか?
そこはよくわかりませんでしたが悩み苦しみながらも自分で答えを探して行く金木の姿は引き込まれる魅力がありました。
グールの能力も個性があってアクションもなかなか好きでした。
いつもお調子者役が多い大泉洋が冷徹で残忍な役を演じているのは、なかなか貴重だと思います。
こういう大泉さんをもっと観てみたいですね。
真戸は悪役の様な振る舞いでしたが指輪をしてたからきっと奥さんをグールに殺されたんだろうな。
食物連鎖の頂点に立つグール。
人しか食べられない故に生きる為に人を喰う。
なんで?いつから?グールが生まれたのか?
伝説的な扱いかと思っていたのですが世界観として一般人もグールの存在を知り、その為の対策組織も作られているというのは面白かったです。
人間もグールも、どちらの種族も生きようとしてるのだから何が正しいのかとても難しい。
唯一、珈琲は飲める様だが…珈琲豆をかじったりとかダメなのかな?ベジタリアン的な?
金木は半グールだから人の食べ物も受け付けられるのかと思ったけどグール成分の方が多いんですね。
芳村が金木に人とグールの両方に居られる存在だと言っていたけど、いまいち半グールとグールの違いがわかりませんでした。
グールだとあそこまで空腹に耐えられないということだろうか?
グールの空腹は人の比較にならないそうだが金木は何日食べなかったのだろうか…今も珈琲だけで生きてるのだろうか?
金木が言うようにあの世界は間違っていると思う。
クインケなんて物を作る暇があったら学者がグールの味覚構造を解明して人以外の食べ物を食べられる様にしたり。
人の肉を生命という形でなく食べ物として培養できる研究をした方がいいと思う。
眼のアップで始まり眼のアップで終わっていたのは印象的でした。
冒頭の金木は純粋に人間だけど何かこう無為な表情で、でも終わりはグールになったけど何か生きる目的を見出した様で未来をみつめてる、そんな表情に私には見えました。
最後に赤眼が元に戻っていたのは何故なんだろう?
亜門の肩をかじったから?
空腹に耐えられず遂に人の肉を食べたという表現なんだろうか?
原作は全く知りませんでしたが楽しめました。
続編もあったら観てみたいです。