「良かったところと悪かったところ」東京喰種 トーキョーグール Si Naさんの映画レビュー(感想・評価)
良かったところと悪かったところ
原作未読で鑑賞。見終わってすぐ映画の内容に当たる原作3巻まで読みました。まず内容については細かい説明が抜けているものの概ねわかりやすくまとめられていると思いました。間延びしそうな錦とのバトルも短く1シーンになっており、スムーズな流れでストレスなく見ることができます。リゼの亡霊や友人永近をうまく使って主人公の苦悩に深みを持たせていました。原作にいた草場さんともう一人の人(名前忘れましたが)も映画の中のストーリーには不要なので出てこなかったのも添削がうまく働いているなとかんじます。原作の面白いとこをかいつまんで作る実写とは違い、しっかりと原作を読み込んでうまく改変してストーリー構成が練られてるように感じました。原作者が入場者プレゼント用のキャラクターの絵を描いていたのにも多大な協力がみられ、実写映画としては非常に好印象です。役者の演技はさすがのものでした。窪田正孝は原作以上に食べられない苦しみを表現していて見ている方が気分が悪くなるほどの圧巻の名演技でした。清水富美加は引退が大変惜しまれる才能を感じ、漫画のキャラクターをきちんと自然に演じています。あの騒動がなければこの映画でさらに評価されたでしょうに。大泉洋も原作のエキセントリックなキャラクターを映画になじませ、現実みを持たせつつも真戸呉緒をそのままに作り上げていました。そのほかの役者についても人物像がちゃんと練られてキャラクターとして機能しています。惜しかった点としては金木のマスクをつけてからの覚醒が早すぎたように思えます。体を鍛えたからといって人を食えないと泣いていた青年が殺す勢いで亜門の車に突っ込んでいったのに驚きました。原作のようにもう少し迷いが見えてもよかったと思います。それから結局主人公が人肉を食べたという描写がなかったように見えたのですが結局食べたのか食べてないのかが分からなかったです。再度見て確認しようと思いますが。あと錦が生きているというセリフがありながらそのあと出てこなかったのであの人は何だったんだろうと思いましたが、続編の予定があったのもしれませんね。今は難しくなってしまったかもしれませんが。