「ABCファンでも、広瀬アリスファンでもない一般の感想として」L エル 永谷園もろ子さんの映画レビュー(感想・評価)
ABCファンでも、広瀬アリスファンでもない一般の感想として
同伴者がABCファンのため鑑賞しました。
自分自身はエルのアルバムは視聴済み、ストーリーブックも読みましたがファンというほどではなく、出演者にもあまり興味がなかったので、期待度は低めで足を運びました。
期待が低かったからかもしれませんが、想像以上に面白かったです。星は普通以上ということで、3.5くらいが妥当かと。
まずほぼCGという部分が不安要素でしたが、そもそもこの世にない中世世界という設定だったので、ハリーポッターやディズニー実写を見るときのような「ありえないけど物語として受け入れる」ことができたと思います。
また良かった点として、役者の方々がみなさん有名な方ではないですがうまかったこと。田中要次さん以外出演作を見るのは初めてでしたが、キャラクターに合っていて、若手が多いにしてはレベルが高かったのではないかと思います。
特に主演の広瀬アリスさんは初めは垢抜けない感じに見えましたが、「黒猫」としてステージに上がっていくにつれとても綺麗で可愛くなり、まるでエルとともに成長したようにも見えました。殴られる演技や血まみれのシーンなど体も張っていてとても魅力的でしたし、もっと女優として活躍してもいいのでは?
批判する部分があるとしたら、ほかの方も仰っていますが監督や演出の方が正直未熟ではなかったかと思います。
画面の写し方、場面転換、音楽の入れ方など…
せっかく世界観や設定がよく、役者もよいのにもったいない印象が残りました。
ストーリーブックを読んだ際には主人公のエルは「意識せずとも男性を惹きつけてしまう目に見えない魅力がある女性」また「それにエルは気づいておらず、言い寄ってくる男性の言葉を純粋に信じてしまい最終的には傷つく」といった印象でしたが、エルの心情描写が不足しておりその部分が感じられず残念でした。またキャバレーで働いてからいままでの純粋な少女と決別し「黒猫」として男を転がすような女になる、といった過程がなかったことも残念でした。この部分のエルの心の描写があれば、ずいぶん違った印象になっていたと思います。
長々と書いてしまいましたが、全体的に楽しめた作品でした。劇場で観る価値はあります。ただ3D4Dでもないのにサービスデーにもかかわらず特別料金1800円にするほどの価値なのか…は微妙。1100円で観れるならアリかな…と。映画館によく行かれる方ならこの微妙なラインわかるのでは…。