幼な子われらに生まれのレビュー・感想・評価
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砂上の楼閣
建造物や小物で心象や状況を丁寧に表現するも、画面に目新しさや美しさは感じなかった。 また呼吸音の表現は胸にくるも、その後の展開はあっさりしており潔くも虚しい。 浅野氏は伸び伸びと演ずる事が許されぬキャラクターの為、要所要所で光るものの不完全燃焼に思えた。 それに反比例してクドカンの切なさを滲ませる表情や仕草には、なんだかんだで根は良い奴と騙されかねない程のハマり具合だった。 また末尾での恵理子ちゃんが分娩室に耳を当てるシーンにて、母の苦痛の声も聞きながら不安の表情が一切無いのは台本の所為もあるが、新井美羽ちゃんももう少し感じ考えて演じて頂きたく思う。 友佳の回想だけを見ると、相手の気持ちを考えた発言や行動をしていないのは寧ろ彼女の方に思え、車内での説教が空回りに写った。 その為、田中のモラルのズレが徐々に現れる展開が恐らく監督の意図以上に不気味に感じ、彼に対する不信感が最後まで晴れず、言葉や行動に裏がないかと勘繰らなければならなかった。 それから薫ちゃんの決断を前向きに捉える事が出来るだけの家族の連帯に対する直接的な描写が少ない為、本当にこれで事態が好転していくのかと不安が拭えなかった。 新たな命が家族を真に繋ぎ、杞憂に終わる事を祈る。
育ててもらってありがとう
別れた奥さんの相手の臨終に立ち会い
何が言えるだろう。
気まずい時、みにつまされるときの
発言でその人の人間性が
問われると思います。
娘をかわいがってもらって育てて
もらってありがとうございます。。
スクリーンを見ながら、離婚相手の
パートナーへの想定外のセリフに
驚きました。いい人すぎる。
自分がこの立場ならこんなこと
できるだろうか。
言えるだろうか。
全編にわたって、
自身に置き換えた時の想像を
繰り返しながら観ました。
反抗期の再婚相手の子供への対応、
別れた妻との再会時の会話。
どの場面でも、
切れてむちゃくちゃに
なる場面しか
頭に浮かびませんでした。
再婚相手の元旦那も、メンタルが
更正された描きかたでしたが、
あの流れからいくと、
娘にたかったり、借金のかたに
なにかやりそうなものです。
このテーマなら
描かれていた次のステップに
今の世の中の本音があるはずなのに
なにか表皮の物語のようで
それが表現されなかったのが
物足りないです。
心がえぐられるようなものを
どこかで期待していました。
でも、観ながら
どんどん悪化していくストーリーに
もうやめてーとなるので、
娘が元父親に会いにいかずに
収束してほっとしたところもあるかな。
住んだ事ないけれど、
丘を昇降するエレベーターのある
名塩ニュータウンは、
昔ドライブ中に見て知ってて
成功した人が住む街のイメージでした。
作品のなかのような、
意に沿わない仕事をこなして
家族を養う父親の存在があるんだなと
改めて思い直し。。
エンドロールを見ながら
思ったのは、
相手へのリスペクトを忘れずに
おごらずに、自分なりの誠意を
なくさなければ、いつかは
わかりあえるという
メッセージとして受け取りました。
多分 あの家族は大丈夫。
みんなも諦めるなと
伝えている気がしました。
男性の作った映画ですね
主人公の奥さんが、女おんなしてて、イライラしました。 男性の作った映画ですね。女性はそんなに甘くないよ~、なんて思ってしまう私って怖い?(笑) それぞれの心の動きがよく分かる、いい映画でしたが、何だかスッキリしないのは何故だろう?
佳作
子供がいる同士の再婚。
揺れ動かないわけがないと思います。
覚悟の上の選択、だったと思います。
でも子供の成長の要素は大きい。
思春期には揺れますよ。
でもこのお父さん、とてもがんばってます。
共感できました。
欲を言えば、お父さんでもお母さんでも良いのですが、薫ちゃんの態度がおかしくなって来たと気づいた時点で、少し話をきいてあげれば良いのにと思いました。
薫ちゃん、ぬいぐるみ開けたところ。2人のパパの思いに少し近づけて、素直に泣くことが出来たね。ここ良いシーンでしたねー。
あと
ここふれるところじゃないかもしれませんが、夫婦間でも子供作りたくないならちゃんと避妊するべき。
(しかも堕胎の直後なんですよね?)
沙織ちゃんみたいな素晴らしい子が出来て育ったのはこの夫婦にとっての宝物ですが。
泣き虫の私ですがあまりなくところはなく、冷静に客観的に観れる映画でした。
無性に自分の子どもに会いたくなった
見終わった後も、あと2時間、この家族のその後を見続けていたいと思った。たぶん、それで見てもまた、2時間、見たいと思うだろうけど。そういう中毒性がこの作品にはある。 話は静かに流れていくが、ひとつひとつの出来事は、極めて重たい。いま自分に小さい子供がいるからそう感じるのだと思った。おそらく今の自分が独身で子供もいなければ、スルーしてしまった場面も多くあっただろうと感じる。 だけど、それほど泣けはしなかった。常にじわーっと心に痛みが来ている感じだった。反面、子どもたちのちょっとしたしぐさや反応なんかに、意外と笑ってしまう場面も多かった。 無性に自分の子どもに会いたくなった。
それぞれの視点で
札幌のミニシアター「シアターキノ」で鑑賞。
この世界には結婚して家族に恵まれる人もいれば、離婚する人、再婚して新たな家族を持つ人、もう再婚せず独りで暮らす人など、まさに人生いろいろ。
映画ではある出来事で順調だと思っていた家族の歯車が少しずつ狂いはじめ、浅野忠信演じる父親はバラバラのパズルだと感じている。でも実はこの辺りからこの主人公に人間味を感じ、共感できるようになった。
反抗的になった義理の娘の父親沢田に『娘に、お前は50万円で売られるところだったんだぞって言ってやりますよ』と言われた時は、本心を突かれた思いだったのではないだろうか。
でも家族とはそもそもがバラバラのパズルだと思う。人によっては50ピースの簡単なパズルだったり、3000ピースの難解ジグソーパズルだったりもするけど、少しずつ埋めていけば何かの絵柄が見えてくるだろう。
映画を観ていて、家庭を捨て悪態をつく沢田に最も共感してしまう自分が嫌だったけど、後半、久しぶりに娘に会うために現れた沢田の姿には救われた。完成させられなかったけど彼もまたパズルのピースを持っていたから。
登場する俳優の新しい面が観られ、3人の子役たちの演技が光る、家族の絆と再生に感動した映画だった。
家族なんて拗れて当たり前
自分の家庭環境と少し重ねてしまい、リアルに苦しくて結構泣いてしまった。
血の繋がりがあってもなくても子供に優しく、かなり家庭的な父親である信の弱さや怒りが露呈するシーンや、なんかモヤモヤして家族を拒絶することでしか捌け口を見出せない薫にはかなりシンパシーを感じ、辛くなる。
ひどいダメ男の沢田にもちゃんと気を使える心はあって、的外れなプレゼントがまた感慨深い。
人に縋りがちだけど、ごく普通の明るい主婦である奈苗が一人カラオケで思い切りストレス発散しているのを観て安心できた。
一筋縄ではいかない家族の形を、最後少しホッとする雰囲気でまとめてくれて良かった。
斜行エレベーターのある住宅街、あそこはどこなんだろう。ちょっと気になった。
男っていうのは
自分もそうだが、男って盲目的ですね。
この映画を観て改めて気付かされました。
あと、家族という異人たちの集まりがみんながみんな幸せになるって難しいなと。
永遠のテーマですね。
監督の演出、それぞれの役者さんがいい味出してます。
必見の作品です。
身に染みる
観る人のバックグラウンドによって見え方が異なってくる作品かと思う。
浅野忠信の演技はやはり上手い。
長女の背景も色々考えさせられる。反抗期も重なって支離滅裂な主張をしているだけと思いきや、それだけでは無さそうな感じもする。学校生活にも馴染んで無さそうな様子で、色々な鬱憤を一番弱い立場である浅野忠信にぶつけているようにも取れる。
クドカンと再会しなかったところからも、親の離婚は正しいと考えてるようでもあり。
自分の長女と照らし合わせ、仮にあの状況になった時自分は浅野忠信のように冷静でいられるかとか考えてしまう。長女に手を上げてしまい破滅への道へ進んでしまうかもしれない。
離婚は良く無いということは分かりつつ、実際あんな夫や妻だったら別れるしかないとも思いつつ、一体何が正しいのかが分からなくなる。
こういう映画は考えるきっかけになる。何気なく生きている人生を深いものにしてくれる。
人も家族も強くなれる!
壊れそうな家族を壊れないように踏ん張り、壊れそうになるオヤジの姿。 一見幸せそうな家族でも何かを抱えていて、踏み越えられた時に、本当の家族になれる。 家族は血のつながりではなく心を寄り添わせて形作られるもの。男は弱く、女は強い。男は耐えて強くなり、そして家族が家族でいられる。
荒井氏の話の描き方が出色
観終わった後に感想がなかなか言葉になりませんでした。久しぶりに泣いた。かなり泣き
ました。荒井氏の話の描き方が出色。一年折り返し地点ではありますが、まず前半の
ベスト1です。観ている間ずっと「血のつながらない親子は、一生他人関係でしかない
ないのか。思春期の娘の心情を斟酌し、開けることが出来るのか。」この問題の答え探しに
翻弄された。
ゲリラ豪雨で、外では雷が響く。車中では次女の無邪気な質問が響く。彼女の年齢だから
出来たことであろう。みんなが、言いたくても今まで生きていきた積み重ねて出来た
世間体とか常識とか何かの壁?で、つい言えなくなってしまった質問が前に座るシートの
父親と母親に浴びせられる。この娘(どこでか見た顔。誰だっけ???プログラムを
見開いて、思わずそうだ!!!あいつだ。)が、作品中何度もイライラさせるなぁと思った
が、もう涙が止まらなかった。一人カラオケは、素人っぽさが出ていて笑えた。嫁も同じ
歌を歌うんかいとツッコミを入れたくはなりましたが。
宮藤さんの元夫役もほとんどは愚痴だが、なぜか激しく同情できた。判るなぁと思っ
ちゃいました。
寺島しのぶの元妻。夫がいなくても子供が育っている。浅野が相手の気持ちも聞かず
すぐ行動に移してしまうという指摘。なぜか自分もそうかも…と反省してしまった。
今回の作品も長丁場ではあったが、監督三島氏の女優中谷の『繕い立つ人』ほどでは
なかったが、荒井さんの話の描き方が良かったのだろう。うん、素晴らしかった。
家族の形
母親側に二人の連れ子がいる共にバツイチ子持ち再婚家族の話。 家族にしても幸せにしても様々な形があるし何が正しいとは言い切れない。 幼いながら成り行きを知る娘が思春期を迎え、それまで向き合っている様でかわして表面を取り繕っていた父親が見透かされる姿が、決して頑張っていないわけではないからこそ尚痛々しい。 仮面を脱いで向き合った先にある着地点が一つの家族の形としてとてもリアルなものに感じた。
それぞれの心境 伝わったなぁ〜 今時は珍しくも無い 家族事情だけど...
それぞれの心境 伝わったなぁ〜 今時は珍しくも無い 家族事情だけど... 幼な子われらに生まれて 新しいスタートだ‼︎ クドカンが 何気に良かった‼︎
つぎはぎの家族だからこそ本音が必要
バツイチ同士の子連れ再婚家庭。 大人と子供、それぞれの事情。 大人は「いい両親」ぶって過去を隠し、「子のためを思って」嘘をつくけれど 子供は、そんな「大人のていのいい嘘」を感じとり、自分も大人に嘘をつく 「相手のため」を思ってしたことが、より相手を傷つける それならば、最初から腹を割ればいいけれど、「家族」だからこそ、それが難しい 幸せとは、互いに本音で語り合うことで、積み重ねられていくものかなと思った 非常に面白い映画だったので、家族に疲れた人たちに特にオススメしたい作品
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