「70歳を過ぎた頃にもう一度見てみたい。」八重子のハミング 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
70歳を過ぎた頃にもう一度見てみたい。
朴訥として古臭い映画だった。なのに何だろう、この締め付けられる感情は。
とにかく夫婦役の升毅と高橋洋子の身体を張った演技がすさまじい。すごいな役者ってと思った。娘や老母や婿や、かつての教え子たちも、良かった。間違いなく彼らの間には、愛が溢れていた。
あまりにも愛情が大きすぎて、負の感情(疲れたとか臭いとか)が湧いてこない。大きすぎて溢れ出て、まるで周りの人たちにも沁み込んでいったかのようだ。だから近所でも彼女が受け入れられたのだろう。
70歳を過ぎた頃にもう一度見てみたいと思う。たぶん、今以上に涙が溢れてくるのだろう。
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