劇場公開日 2017年7月1日

「何度観ても魅せられる」忍びの国 さとやんまみやんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0何度観ても魅せられる

2017年8月1日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

萌える

映画が発表された時から、ずっと心待ちにしていた大野くん主演映画。
底知れない身体能力の高さが、発揮され、飄々と生きてきたようで、心の奥にある「人」の感情、最後の平兵衛との「川」は、本当に両者がカッコよく、切なく、激しく。
何度観ても本当に涙がでます。
最後の毒矢を受けた時の、無門の叫びは、胸がしめつけられる悲しい叫びが耳からはなれず、ぎゅう、となります。
大野くんの、場面によっての声のトーンや話し方も、すごく魅力ありすぎなのです。
信雄の寝床に忍んだ時に、無門のスイッチが入った時のトーンとか、目力にも魅せられました。
公開してから、何度も無門に会いに映画館へいきましたが、何度観ても、いや、観るたびに無門に、忍びの国の世界観に魅せられます。
同じ映画をこんなに観たのは、初めてです。
そして、まだまだ観たいと思わせる映画も初めてです!!

さとやんまみやん
O-CHANさんのコメント
2017年8月1日

あなたのコメ、私にドーンピシャ!観終わっても帰宅してもよみがえるシーンがいくつもある。現実の世界にもどっても、無門や平兵衛そしてお国が私の心から離れない。また会いたい。あって確かめたいことがあるような気がして。

つまらない映画だと切り捨てる人がたくさんいる。私たちの日常の世界も同じだ。深く考えないと感じないことばかりだ。どうせ・・・と軽く考えれば通り過ぎて忘れてしまう。その方が楽なのかもしれない。私も、その一人だったかもしれない。「忍びの国」を観たのも、無門と平兵衛との対決を見たかったくらいの軽い気持ちだった。

ところが二人の「川」の場面。半端なかった。怖いほど凍りつくほどすごかった。怖くて・・・二人を正視できないほど怖くて・・・泣いてしまった。平兵衛が悲しかった。胸が締めつけられるのを我慢してたら。人を殺しても平然としているはずの無門が「かわいそうなやつ」と言ったよね。あれって、平兵衛の悲しみを無門が受け止めたってことでしょう?ラストシーンで無門だからこそ重い言葉だと感じた。

毒矢の場面も泣いたよね。無門と一緒に叫んでた。(=^・^=)声はだしてにゃいけど、無門の叫びが哀しかった。もうぼろぼろ。
心も無い無敵な忍びだった無門が「かわいそう」と言う。その無門に、今度はお国が「かわいそうな人」と言う。冷たく素っ気ない妻と頭の上がらない夫を面白がって見ていたら・・・
二人が、こんなに深い愛で繋がっていたことに、驚いて、無門の絶望的な叫びで、目が覚めたように涙が溢れてきた。

かわいそう・・・なんて
現実の世界では、ありふれていて、私たちの使う「かわいそう」の言葉には、中身がなくなった。
あっても、薄っぺらい同情の気持ちくらいで、2日もすればどこかに飛んで消えてしまうくらい軽い。

だから・・・かわいそうという言葉を私は嫌いだった。本当につらくて仕方がないときは決して使わない。
使っちゃいけない言葉だと思ってた。わたし。それなのに、この作品には・・・クライマックスで「かわいそう」という台詞を言わせている。

それって・・・届けたい!ってことでしょ?
「かわいそう」という言葉のほんとうの意味とほんとうの使い方を。忘れてないかい?忘れるべきじゃないんじゃないかい?
無門やお国に、命がけで教えられたような気がするわ。

O-CHAN