「人間と妖怪の家族」モンスター・ハント 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
人間と妖怪の家族
いかにも中国映画らしい伝奇ファンタジーだが、監督が『シュレック』に携わったクリエイターなのがミソ。
妖怪のキャラデザインがめっちゃアニメチックだが、♪︎妖怪のせいなのね、不思議と違和感無くなってくる。
話もアクションとユーモアと感動織り交ぜたファミリーでも見れるエンタメ・ファンタジー。
人間と妖怪が共存するむか~しむかしの中国。
人間に追いやられた妖怪たちの世界で、内乱が勃発。跡継ぎの王子を身籠った王妃が敵に追われ、人間界に逃げてくる。
とある村。偉大な妖怪ハンターを父に持つテンインは若いながら村長だが、冴えない性格で祖母や村人にも馬鹿にされていた。
営む茶屋にやって来た中年夫婦。程なくして、若い女性。もてなそうとした時、両者がバトル開始! 中年夫婦は妖怪、若い女性ショウランは妖怪ハンターであった。
妖怪夫婦は籠の中に王妃を隠していた。
そこへ別の妖怪ハンター、ラコウも現れ、三者三様の大混戦。その最中、王妃はテンインに身籠っていた子供を託す。
何と、男なのに…! 何と何と、妖怪の子供を…!
妖怪ハンターや妖怪の追っ手に追われる身になってしまったテンインは、ひょんな事からショウランと解決探しの旅に出る事に…。
言うまでもないおかしなおかしな設定。
ツッコミ所や緩さ(人間の敵も妖怪の敵も結構お間抜け)多々で、ハラハラドキドキスリルも無い。とことんコミカルでファミリー向け。
が、アニメチックとは言えCG技術はなかなか。種田陽平が手掛けた美術も見もの。
ショウラン役バイ・バイホーが魅せるアクションは華麗。テンイン役ジン・ボーランとの掛け合いも愉快。
だけど本作のメインはズバリ。人間と妖怪の絆。
やがて出産したテンイン。
産まれてきた妖怪の赤ちゃん、フーバ。
見た目は妖怪と言うより大根そっくりだが、キュート。無邪気で愛らしい。
テンインを親と思って懐いている。テンインでなくとも見てるこちらも情沸くわ~。
やがてテンインとショウランとフーバと、家族みたいな関係に。勝ち気なショウランと冴えないテンインの思わぬロマンスもいい感じ。
そんな人間と妖怪の“家族”が試される試練と危機…。
テンインが住んでいた村。実は、村人たちは妖怪。人間の姿に化けていた。
妖怪ハンターとして名高い父だが、計らいで、人間と妖怪が共存。
正体が分かると敵対。共存は無理なのか…?
その希望の存在であるまだまだキュートな跡継ぎ。
フーバは村で仲間の妖怪たちと、テンインとショウランはいつの日かの再会や共存を願って、それぞれの世界を生きるのであった…。
続編あり。