「悔しいが思っていたよりもよかった」鋼の錬金術師 ヨッシーさんの映画レビュー(感想・評価)
悔しいが思っていたよりもよかった
素直によかったと思う。
亜人や銀魂並みのクオリティではないものの監督の鋼錬愛は伝わってきていて、進撃の巨人と並べて語るのは余りにも失礼。
まずよかったのはCG。アルなんかは本当にそこにいるのかと思うほどだったし、戦闘シーンの迫力もあった(戦闘シーンの迫力はカメラワークがよかったのもあるが。)
音楽の選曲センスやかかるタイミングも物語を盛り上げるのに一役買っていたことも特筆しておきたい(だいたいくそ映画と良策映画の分かれ目はこの選曲センスの有無が多分に関わってると思っている)
役者の演技はよかった人から書いていく。
エド役 山田涼介
正直キャスティング発表を聞いたときは、暗殺教室みたいな駄作映画がまた世界に放たれてしまうかと危惧したものだが、この数年間のうちに演技力が上がったようだった。ただ、もし続編があるのなら今度は「誰が豆粒ドチビだ~」というコメディパートも見てみたい。
タッカー 大泉洋
これは発表当時から批判の嵐だったが、僕は実はこの配役には大賛成だった。何故ならそのとき大泉さんは東京グールでマドクレという悪役をやっていて、その悪役の演技が素晴らしかったからだ。そしてその期待を倍にして返したようなできだった。最初の優しそうな人格から、娘をキメラにしたことを見破られてからの豹変ぶりには感服した。総じてタッカー編が一番完成度が高かった。
ラスト 松雪泰子
とてもよかった。しゃべり方が色っぽくって不気味でゾクッと来た。総じてホムンクルスはレベルが高かった。
ヒューズ 佐藤隆太
まさにはまり役。ヒューズの優しさとふとしたところににじませる軍人としての覚悟などがよく表現されていた。
エンヴィー 本郷奏多
期待していたほどではなかったがそれでもレベルは高かった。強いてゆうならもっと殺人快楽者的な部分を掘り下げてほしかった。
グラトニー 内山信二
そのまんま。グラトニーにしか見えない。
ハクロ 小日向文世
原作と大幅に設定が変わっている。純粋に演技だけで言えば流石の一言につきる。
アル
とてもよかった。アニメと比べてもそんなにいわかんなかった。
ここからよくなかった人たち
マルコー 國村隼
國村隼のキャラにあってない。
マスタング ディーンフジオカ
及川光博さんを配役しなかったことから中身ではなく外見をとったかと思っていたがまさにその通りになった。ただただクール(台詞棒読みなだけだけど)で大佐のなかにある情熱がひとつも伝わってこない。ラスト戦は演出の効果もあってかそれなりに見れたけど、やっぱり足りない。続編は及川さんで。
ホークアイ
外見も中身もなにもない。ただそこにいるだけ。そんな存在だった。
ウィンリィ 本田翼
期待外れ。キャラクターはあっているはずなのになにかが足りない。
脚本は、まずラスト戦までを二時間にまとめた手腕は評価したい。オリジナル要素も面白くて興味深かった。
ただ、問題点をあげるとするなら2点。
まずアルとエドの兄弟喧嘩が余り盛り上がらなかったことあそこがちゃんと盛り上がれば、話の深みが増したと思うだけに残念。ヒューズの死という名場面をわざわざ分割したこと。
あと、その他で思ったことをあげるとエキストラのレベルが低すぎる。ひどいミュージカルを見ているようだった。
ちなみに余談になるが日本人がエドなど金髪で明らかに外国人の役をやることに関しては別にいいと思っている(日本漫画原作に限るが。)何故なら日本の漫画で描かれているキャラは全員が日本人顔だからだ。
続編も期待。