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「歴史を知ることが出来て興味深かったが、主人公ベン・ハーへの共感が難しかった」ベン・ハー Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
歴史を知ることが出来て興味深かったが、主人公ベン・ハーへの共感が難しかった
ティムール・ベクマンベトフ 監督による2016年製作のアメリカ映画
原題:Ben-Hur
チャールトン・ヘストン主演のものは見ていないが、古代ローマ帝国やイエス宣教、その時代のユダヤ社会が描かれていて、かなり興味深くはあった。戦車競争も迫力があった。
少し調べてみると、25万人収容可能な大競技場もあり、ユダヤのヘロデ大王は4つの戦車競技場を建設したとか。どうやら、あの観客の熱狂はあり得るいうことらしい。ただ,ローマ帝国のガレー戦の漕ぎ手が奴隷というのは、フィクションであった様で、実際は属国からの募集した人間が下級兵士の身分で漕いでいたとか。
ただ、正直物足りなさも感じた。一つにはジャック・ヒューストン演ずるユダヤ名家の息子ベンハーに迫力を感じず、共感も覚えなかった。むしろ一緒に育ったが家を出て激戦の中勝利を得ていくことでローマ帝国で総督の地位を得たメッサラに、戦車レースで足を失ってしまったメッサラ・トビー・ケベルに同情を覚えてしまった。その結果なのか、レース後の二人の友情復活もあまり感動を覚えなかった。
ロドリコ・サントロ演ずるハンサムなイエスの姿も興味深かったが、十字架に貼り付けられ血が流れていたが、復活の暗示もないまま、ベンハーの母と妹の難病消失という奇跡が起きていたことに違和感を覚えてしまった。
スタッフ・キャスト
監督ティムール・ベクマンベトフ、製作ショーン・ダニエル ジョニ・レビン ダンカン・ヘンダーソン、製作総指揮マーク・バーネット ローマ・ダウニー キース・クラーク ジョン・リドリー ジェイソン・F・ブラウン、原作ルー・ウォレス、脚本キース・クラーク、 ジョン・リドリー、撮影オリバー・ウッド、美術ナオミ・ショーハン、衣装バルバーラ・アブジューシコ、音楽マルコ・ベルトラミ、視覚効果監修ジム・ライジール
出演
ジャック・ヒューストンベン・ハー、トビー・ケベルメッサラ、ロドリゴ・サントロ、ナザニン・ボニアディ、アイェレット・ゾラー、モーガン・フリーマン。