「中世アーサー王伝説とのコラボ!」トランスフォーマー 最後の騎士王 中野祐治さんの映画レビュー(感想・評価)
中世アーサー王伝説とのコラボ!
シリーズの神話性をさらに掘り下げた作品!
中世アーサー王伝説と現代の戦いをつなぎ合わせることで、
「人間とトランスフォーマーは古くから運命共同体であった」という大きな視点が提示されている。史実と関連のある作品が好きな私にとってはこの作品が一番目を惹いたかもしれない。
今回は、ケイドが「最後の騎士」として選ばれ、再び大きすぎる戦いに巻き込まれる。
サムが“選ばれし青年”だったように、ケイドもまた自分の意思とは関係なく数奇な役割を託される。だが彼は逃げずに受け止め、父としてだけでなく“人類を導く者”として成長していく。
ここで特筆すべきは、オプティマス・プライムの変化だ。
一時的に敵に操られ、人類に牙を剥く姿は衝撃的。しかし最終的に仲間を信じ、人間を信じ直す過程は、シリーズの核である「信頼」のテーマを強く印象づける。ケイドとオプティマスの絆が揺さぶられ、再び結ばれる展開は、この作品の最大の見どころ。
アクションは相変わらず壮大だが、それ以上に観客が引き込まれるのは“信じることの重さ”だろう。父親として娘を想うケイド、人間を信じ直すオプティマス、それぞれが背負う責任が交錯することで、この映画は単なるSFアクションを超えて「人が何を守り、信じて生きるか」という普遍的な問いを投げかける。
シリーズの中でも賛否が分かれる作品だが、人間ドラマに注目すると、信頼と責任の物語として深く味わえる。アクションが苦手な人にとっても、心に残るテーマが見えてくるはず!
