「ストーンヘンジ以上に意味不明な映像/脚本/キャラクター! ベイ濃度、ついに天元突破💥💥💥」トランスフォーマー 最後の騎士王 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
ストーンヘンジ以上に意味不明な映像/脚本/キャラクター! ベイ濃度、ついに天元突破💥💥💥
金属生命体”トランスフォーマー”たちの戦いを描くロボットアクション映画『トランスフォーマー』シリーズの第5作。
前作の後、人類の敵と見なされたトランスフォーマーは「TRF」(対トランスフォーマー部隊)から迫害を受けていた。ケイドはトランスフォーマーを守るためTRFにゲリラ戦を仕掛けていたのだが、ある時瀕死のトランスフォーマーから不思議なタリスマンを授けられる。
一方その頃、創造主を探しに宇宙へと旅立ったオプティマス・プライムは故郷であるサイバトロン星へと到着。そこで創造主クインテッサと出会うのだが、彼女はオプティマスを洗脳し地球へと攻撃を仕掛けてくる…。
監督/製作総指揮はマイケル・ベイ。
○キャスト
ケイド・イェーガー…マーク・ウォールバーグ。
ドリフト(声)…渡辺謙。
新たなキャストとして、謎のイギリス貴族エドモンド・バートンを演じるのは「ハンニバル・レクター」シリーズや『マイティ・ソー』シリーズの、レジェンド俳優サー・アンソニー・ホプキンス,CBE。
スクラップを売り歩く行商人トランスフォーマー、デイトレーダーの声を演じるのは『パルプ・フィクション』『モンスターズ・インク』シリーズの、名優スティーヴ・ブシェミ。
魔術師マーリンの末裔であるヴィヴィアンを陰ながら守ってきたトランスフォーマー、ホット・ロッドの声を演じるのは『最強のふたり』『ジュラシック・ワールド』のオマール・シー。
また、前作『ロストエイジ』でジョシュア・ジョイスを演じたスタンリー・トゥッチは、本作では魔術師マーリンを演じている。
製作総指揮に名を連ねるのはスティーヴン・スピルバーグ。
いやー…すごいもの観た。
もはやこれは映画じゃない。マイケル・ベイをギュッと圧搾して取った、純度100%の”ベイ汁”である。
爆発粉塵下ネタアーサー王ドラゴンナチス爆発スターウォーズワイルドスピードアルマゲドンプライベートライアン爆発爆発…etc。
ベイのベイたるところがフルスロットルで溢れ出している、前人未到いやさ人外魔境というべき異常で過剰な映像体験。こんなん他では絶対に観られない!!
冒頭の「イギリス 暗黒時代」が暗黒時代すぎて爆笑🤣
映画としては完全に破綻している。だって今何が起こっているのか全然わかんないんだもん。とにかく常に画面のどこかしらで爆発が起こっており、常に誰かが怒鳴っている。ただでさえ頭痛を起こしそうな喧騒さに満ちているのに、それを忙しないカット割で捲し立ててくるので完全に脳みそがパープリンになってしまう。これを2時間半!!どうかしてるぜっ!!
特にクライマックスの天空プライベート・ライアンはマジで何が何やら意味不明すぎる。ぜんぜん意味わからんが、なんかみんな凄い汗かきながら頑張ってることだけはわかる。それさえわかればOKな気もするが、映画ってそういうものなのか…?うーんわからん。
ここで何が起こっているのか筋道立てて説明出来る人マジで0人説。あると思います。
ストーリーはトンデモ考古学をベースに組み立てられた奇々怪々な代物。ほぼ「MMR」。人類は滅亡する!\ナ、ナンダッテー∑(゚Д゚)/
物語がぐちゃぐちゃなのはまあ百歩譲って良いとして、問題は過去作との整合性が取れていないこと。
トランスフォーマーは1000年以上前から人間たちの戦いに関わり続けてきたのじゃ、ナチスもトランスフォーマーが殺ったのじゃ、とかいう後付け。まぁこれも少年漫画だと思えば許せる範囲かなとは思うんだけど、いくらなんでもメガトロンが生きてました!というのはどうなのよ。前作でガルヴァトロンっつークローンになってませんでしたっけ?今回のメガトロンとガルヴァトロンは同一人物?つかガルヴァトロンって前作ではどうなったんだっけ?死んだ?
あと、コンボイが「バンブルビー…。お前の声を聞くのはサイバトロンが滅びて以来だ…」とか言ってたけど、『1』のラストシーンで普通に喋ってなかったっけ…。
ツッコもうと思えばいくらでもツッコめるガバガバさ。ベイ的には「細けーことは良いんだよ!」なのかもしれないが、観客としては気になるだよ細かい事が!!というかこれらは全然細かい事じゃないし。このシリーズが雑なのは今に始まった事じゃないけど、話数が進むに従ってどんどんダメになっている。このシリーズを観ていると、『ワイスピ』がウェルメイドな作品に思えてくるから不思議。
映画としては、ハッキリ言って面白くもなんともない。前作ほどではないにしろ今回もかなりの長尺なので、この訳わからなさははっきり言って苦行。
ただ、ここまで純度の高いベイ汁を味わう事はなかなか出来ないし、そういう意味では観る価値はあると言える。
レジェンド中のレジェンド、アンソニー・ホプキンスがなんだかんだで楽しそうだったし、ベイも張り切ってたし、まぁいいんじゃないですかこの作品はこんなもんで。
最後に次回作への布石が打たれていたが、本作以降このシリーズは過去の出来事を描くことに終始しているようで、ストーリーが先に進んでいるようには思えない。観てないからハッキリとしたことは言えないけど。
どうやら本作は北米での興行収入が不振だった模様。製作費の回収すら出来なかったようで、その事がストーリーの歩みに待ったをかけているのだろう。
このクソみたいなストーリーの続きを期待している観客はほとんどいないと思うので、この辺りでリブートすれば良いんじゃない?
※ウィットウィック騎士団最後の生き残りがアンソニー・ホプキンス。シャイア・ラブーフの写真がホプキンスの部屋に飾ってあったということは彼もまた騎士団のメンバーだということなのだろうか。
ということはシャイア・ラブーフは既に死んでいるってこと…?数々の不祥事で社会的に死んだラブーフの遺影を作品内に登場させる。これはなかなか痛切なブラックジョークですなぁ…。