「**エロ描写の陰に潜む緻密なミステリーが三部構成で丁寧に紡がれる本作。**」お嬢さん abuさんの映画レビュー(感想・評価)
**エロ描写の陰に潜む緻密なミステリーが三部構成で丁寧に紡がれる本作。**
まず第一幕では、観客は華やかな官能シーンに目を奪われながら、いつの間にか物語の“謎”の深みに引き込まれていることに気づけない。だがそこで仕掛けられた伏線こそが、本作がただのエロティックドラマではなく、「騙し騙され」のスパイものへと転じる扉となっている。
第二幕に移る頃には、「あれ?これはミステリーだ」「この視点の切り替えは…」と、思わず唸るスリリングな展開が連続。だんだんと断片がつながり、キャラクター同士の駆け引きがスパイ映画さながらの緊張感を生み出す。終幕までテンポは落ちず、張り巡らされた伏線はひとつ残らず鮮やかに回収されるため、ラストには“そういうことだったのか!”という爽快な驚きが訪れる仕掛けだ。
とはいえ、本作には「日本語が逆に伝わりにくい」「エロ描写、必要?」といった賛否もある。だが、その濃密なセクシャルシーンこそが、ミステリーとしての深みを際立たせるスパイスであり、何より――映像美は圧巻。光と影、カメラワークが織りなす画面の美しさは、一度観たら忘れられない。エロと謎解きが交錯する異色作を味わいたい人に、ぜひおすすめしたい一本だ。
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