「チャンカンマンキダリセヨ」お嬢さん いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
チャンカンマンキダリセヨ
中々、感想を思い出すのが難しく、それこそ『チョット待ってて』という感じ。相変わらずの韓国映画界だが、昔の邦画もこういう元気さと怪しさがあった筈なんだけど、なんて知ったかぶりな訳だが、しかしまさしく最近までやっていた日活ロマンポルノリブートの作品群が束になっても今作品には敵わないんじゃないかとさえ強く感じる。それ程突飛なストーリー展開と俳優陣のアクの強さ、そして金の掛かったセットや美術が、日本人を楽しましてくれているという事実に、ある意味アイロニーさえ感じる。
今作品はダークファンタジーエロティック奇譚クライムサスペンス歴史物というかなり幕の内弁当的な、しかも味の濃い内容に仕上がっている。時代考証的にはオーバー目であるし、なにせ、太平洋戦争直前の韓国併合時に、こんな貴族的な人物が存在していたのかさえ怪しい。しかも朝鮮人が帰化してなんていうのもそのバックボーンがなかなかエグい。そう、ストーリーが緻密な様でいて、荒唐無稽な構成なのである。ましてや古今東西の猥談を読み聴かせる朗読会なんて悠長な世界なんてあるんかいなって思うダークファンタジーさが、ある意味日本アニメや漫画のジャンルでおなじみの世界観であるので意外とすんなり飲み込めるのは面白い。
まぁ、それにしてもアメリカ人が日本に来て四文字を連呼しているのを同郷のアメリカ人が恥ずかしいと思う意味合いを初めて実感できた経験も貴重だった。あれだけ『お●●こ』連発を、韓国女優に言わせて、それがピー音無しで流れるのは今までAV位だから(苦笑)
ラスト近くの詐欺師が伯爵に捕まり、地下室での拷問シーンは、邦画ではあっさりしたシーンにするところを冗長とも思える程のえげつないシーンの長さに、韓国映画のしたたかさをこれでもかと見せ付けられた思いである。
女性同士の濡れ場シーンは多分、今までの映画の中でトップクラスの演出と演技だと思う。日本の女優も負けずにこれ位の演技を是非お願いしたいほど、羨ましい映画環境である、山田孝之のカンヌ映画祭における長澤まさみにこの映画の爪の垢でも煎じて飲ませたい。その際は鼻を摘みながらねw
ちなみに英語題は『ハンドメイデン』、侍女ということ、そして手の乙女、要は処女の手慰みってことのダブルミーニングってことなんだろうな・・・同じ、B級映画でも、これ程の画力の高い仕上がりは邦画はお手本とすべし!!