「退廃的で耽美な上質エロティックミステリー」お嬢さん めいさんの映画レビュー(感想・評価)
退廃的で耽美な上質エロティックミステリー
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舞台は1939年日本統治下の韓国。詐欺師の少女スッキは、同じく詐欺師である藤原伯爵から、莫大な財産を相続した令嬢秀子を伯爵に恋させ、駆け落ちする手引きを求められ、秀子の豪邸へ侍女として侵入する…。スッキは珠子という名を貰い、侍女として献身的に秀子の世話をするうちに、その美しさと孤独さに惹かれるようになり、藤原伯爵に嫉妬を覚えながらも、彼との仲を取り持つ。やがて伯爵の計画通り、伯爵と秀子とスッキは屋敷を逃れて、日本へと渡る。しかし、それは裏切りに次ぐ裏切りの序章だった…。
とにかく上質な官能ミステリーだった。物語は三部構成で、謎パート→回答パート→後日談となっていて、時系列が交錯し、謎が明らかになるかと思えば、更なるどんでん返しが起こる…といったように、巧みな構成で観客を惹き付ける。絢爛たる美術や衣装も見事で、耽美で頽廃的なエロスに酔えた。
閉じ込められたお姫様を救うのは王子様ではなく女性…という点では、アナ雪や、かつての少女革命ウテナに通じるテーマを持った終わり方で、爽快だった。
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