マザーズ・デイ(2016)のレビュー・感想・評価
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4本分の映画をまとめたような豪華さ
ゲイリー・マーシャルの遺作。
とんでもなく豪華な女優たちがキャスティングされていて、私としてはそれだけで星一つおまけしてしまいます。
ストーリー的には、群像劇で、それぞれの家族が意外なことで絡み合う構成になっているけど、基本的には分けて描いてあります。
それが、母の日にいろんなドラマを紡ぎだし、ちょっと泣けるシーンがあったり、(コメディアンのザックが赤ん坊を抱いてステージに上がるシーンはなぜだかホロっと来るのです)思わぬ出会いがたくさん描き出され、悲しかったり、嬉しかったり。
とにかく、ひとつひとつのドラマが本当に丁寧に描いてあり、どれひとつとして平凡な人生じゃないところがいい。
特にジェニファー・アニストンはさすがラブコメの女王。ひとり言が多い気もしますが、一瞬で相手との関係性を浮き上がらせる掛け合いは見事としか言いようがありません。お菓子の自動販売機にはさまるシーンは彼女以外できない芝居です。他の女優だと、哀れだったり、暴力的に見えたり、共感できないんですよね。
エンドロールのNG集も笑えます。
戦死した妻が忘れられないブラッドリーが、ビデオメールで何回も再生している妻の役は、ジェニファー・ガーナー!彼女だけは、他のキャストと絡みが無いので、お友達キャスティングでしょうか。
ジュリア・ロバーツだけは基本的には他のキャストと絡みませんが、意外なところでつながっていきます。
最近見た映画で、『僕のワンダフルライフ』っていう感動作に、昔の彼女役で出ていたブリット・ロバートソンが、コメディアンのザックのパートナーで、産みの母親と会ったことが無いために結婚をためらうクリスティンを好演しています。彼女はいま、ティーンエイジャーの役から、母親役まで、幅広くやってますね。
内容は題名の通り
さわがしかった(笑)、
ラジー賞も獲ってる(意外)
2人の息子を持つサンディ(アニストン)は別れた夫が再婚相手を見つけたことに苛立ちを覚えていた。その友人ジェシー(ハドソン)はインド人と結婚していたことを両親に隠していて、妹はレズビアンで同性婚をしていたことも隠していたところへ、テキサスから両親がサプライズでやってくる。またインド人の夫の母親もラスベガスからやってきたのだ。
ビジネスで成功した女性トップ50に入っているミランダ(ロバーツ)は実の娘クリステン(ブリット・ロバートソン)が訪ねてきたことに戸惑いを見せる。そのクリステンには娘が生まれ、相手のザックから求婚されているが、彼女自身がずっと里親に育てられたこともあって結婚に踏み切れないでいた。
軍人だった妻を亡くしたジム経営者ブラッドリー(ジェイソン・サダイキス)は2人の娘がいるが、長女のボーイフレンドが気になってしょうがない。スーパーで出会ったサンディからは娘に頼まれたタンポンを買うところを見られ、ミスター・タンポンと呼ばれるが、この2人はいずれ恋に発展しそうに予感させる。
全体のストーリーは全然面白くないのに、まるで四コマ漫画のようにクスっと笑わせるほのぼのとした作品。
毎年、母の日に観たくなる…
最後にゲイリーマーシャル作品と分かって納得
ジェニファー・アニストンが主役の群像劇。ジュリアロバーツを脇に使うとは贅沢。題名通り母親が主役ではあるが、妻を亡くし母親も兼務する父親など男性陣も活躍。人種別、同性婚などの風刺ネタも。
線路脇のダイナーでのサラダフォークのくだりが⁉となった…そうか!プリティウーマンと同じコンビか‼
ホリデー三部作というだけあってお馴染みのエンドロールにNGシーンも。
笑って、ちょっとホロリ。
母ということ以上のモノを描いてくれたのがよかった!
母の苦悩や困難の先に、同性愛の結婚や国際結婚、シングルマザー、養子、等々様々な苦難を描いていたのがよかった。
特にあの姉妹。姉はゲイ妹はインド人。そりゃあ親としてはすぐには受け入れられないと思うよ。まあこの映画での解決策は強引すぎたけど、どうそこと向き合うかって凄く大切なことだなと。無理矢理にでも伝えるしかないなと。
キャストも良かったなあ。いい年代のいい女優つかってたよ。ジェニファーアニストン、いい身体じゃないですか、筋肉質で。なんか面白いおばちゃんって感じで。ケイトハドソンもまあ綺麗だよね。安定感あるわ。ジュリアロバーツ。奇抜な役ではあったが、圧倒的美脚とスタイル。素晴らしい。おばあちゃん役は流石にありえないっす、、、。
26年後のサラダフォーク
「バレンタイン・デー」「ニューイヤーズ・イヴ」に続くホリデイ三部作(と日本の宣伝では謳われていたけど本国でもそう呼ばれているの?)の完結作。タイトルの通り「母の日」がテーマの群像劇になっている・・・のだけれど、「母の日」を掲げている割に、母性愛や家族愛と言ったものがあまり描かれていないような?むしろ、いずれの物語にも「ロマンス」が絡めてあり、元夫の再婚・結婚に踏み切れない女性・異人種間結婚・同性愛・・・という具合に、それぞれに「母親」の立場が登場するというだけで、別段「母の日」をテーマにして描く意義があるようなテーマではない物語ばかりが並ぶ。しかもそのいずれもが、実にバカバカしい解決法に寄って結論付けられていくからがっかりする。
車のブレーキが壊れたふりをして家族をパニックに陥らせて団結させたつもりになっても、根本的な問題は何も解決していないし、母を亡くして反抗的になった娘にプレゼントを与えてご機嫌を取ったってやっぱり何の解決にもなっていない。しかしこの映画は、そういう表面的な「解決」を積み重ねて済ませてしまう。なんだかな?
母の愛、母への感謝、母子の確執、母としての葛藤・・・なんて崇高なテーマはこの映画のどこにも存在していなかった。ただ母の日に託けたどうでもいいロマコメが立ち並ぶだけ。
唯一の収穫は、ジュリア・ロバーツとヘクター・エリゾンドが26年の月日を経て、同じテーブルを挟んで演技をするシーンがあることくらいだ。しかもそのシーンをゲイリー・マーシャルの映画で見られるという喜び。サラダフォークのセリフまで用意してくれて、こういうサービス精神は好きです。
それに・・・これだけ作品をこき下ろしていながらも、ゲイリー・マーシャル監督のことは絶対に嫌いにはなれない。マーシャルの人の好さというか、優しさがいつだって彼の作品には溢れていたから。必ずしも良作ばかりではなかったけれど、マーシャルの作る映画はいつも温かくて優しくてマーシャルの人柄がそのまま映画になったような穏やかさがあった。役者にもきっと愛されていたんだろうなぁと思えるくらいに、どんな大物たちもマーシャルの映画では肩の力を抜いて自然体でカメラの前に立っているように見えた。亡くなってしまったのが残念だけれど、最後の映画で、ロバーツとエリゾンドとマーシャルのリユニオンを見られたのは幸福だった。
ご都合的だけどステキな群像劇。様々な家族が織り成す愛の物語。
【賛否両論チェック】
賛:様々な家族達が“母の日”をきっかけに巻き起こす群像劇が多彩で、どれも印象に残る。意外な人物同士が意外なところで繋がりを見せるのも痛快。
否:ベタベタなラブコメディで展開もご都合主義なので、興味がないと退屈すること必至。
“母の日”という特別な日を前にして、家族が抱える様々な問題を突きつけられた男女達の奮闘劇が、コミカルな展開満載で描かれていくのが印象的です。
元夫が再婚し、子供達が離れていくことに不安を抱えるサンディや、両親の偏見に反発を覚えたままのジュディ、実の母親に捨てられたことがきっかけで、結婚に踏み切れないクリステンや、妻の死から立ち直れずにいるブラッドリー、そして有名人でありながらどこか孤独を抱えるミランダ。様々な登場人物達の様々な家族の物語が、意外なところで意外な繋がりを見せるのも、またステキな展開です。
バリバリのラブコメディなので、興味がないと眠くなってしまうかも知れませんが、多彩な人間模様が紡がれる群像劇を、是非ご覧になってみて下さい。
母の日のオムニバスストーリー
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