「「差別」を重くなく知ることができる映画」ショコラ 君がいて、僕がいる ハクタカさんの映画レビュー(感想・評価)
「差別」を重くなく知ることができる映画
私は2年間程 アフリカで暮らしたことがありますが、肌の色で嫌な思いをしたことはないし、信仰する宗教がその土地にないものだからといって酷い目にあったこともありません。
逆も然り。そういった、自分から人を遠ざけるようなことは、心がけてしていないつもりです。
私はこれまで40年近くの生活の中で、何かの「違い」によって、人生に挫けてしまう程の体験がありません。
ですから、主人公ショコラの本当の痛みには寄り添うことはできないんだと思いました。
だからと言って、この映画に白けたりしません。
何らかの違いを「理解できない」ということはあるかもしれませんが、無視はしない。
「知る」こと「知っておく」ことはとても大切なんじゃないかなと思います。
映画は2時間たっぷりと様々な要素が詰まっており、楽しむことができます。
ただ、詰め込みすぎて、一つひとつが薄い印象も受けますが。
『ショコラ』『聖の青春』『ブルーに生まれついて』を今年に入って鑑賞しましたが、どうしてこうした類い稀なる力を持った人たちは、自分の人生を大切にできないのだろうと、哀れに思ってしまいます。
その時そのときの一瞬が輝けばそれでいいのだろうか。
どの映画にも共通して周りで支えてくれている人たちがいる。
その人たちの「置いてきぼり感」に共鳴し、私はとても感情移入しました。
この映画の場合では、フティットです。
彼の心情描写が極端に少ない分、彼の気持ちをたくさん想像することができました。
(彼がまさか、あのチャップリンの孫だったとは!)
元気をもらえる映画だと思っていたのですが、そうではない誤算があり、意表を突いた映画に出会えました。
コメントする