弁護人のレビュー・感想・評価
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なかなかの法廷劇
韓国が作った、反体制、孤軍奮闘の法廷劇であり、所々見せる手持ちカメラのアクションも冴えているし、ソン・ガンホの芸達者ぶりも健在であって満足できた。 事実に基づいているのは明らかであるが、どこからどこまでが真実に迫っているのかは解らない。しかし、勧善懲悪的な背景と、ラスト数分の見せ場への勢いは、カタルシスがあって面白かった。 それにしても、80年代において、憲兵みたいは国家保安警察官がいたという事実と、一次捜査での調書を拷問によりねつ造するという事実が、朝鮮半島の今を物語っている。恐らくこの二つは、形を変えて今も存在するのだと思う。
最高!!
さすが、ソン、ガンホです。 下手なハリウッド映画を見るより、よほど面白いです。 ただ、これがある大統領をモチーフにしたものなのですが、最終的には自殺してしまう結末となるのです。 そんな韓国という国が悲しすぎますね。
罪と正義を主張する主人公の執念
80年代軍事政権下で赤狩りの風が吹く韓国。高卒で弁護士をやっているウソクは、若い頃に世話になった店の息子ジヌが国家保安法違反容疑で逮捕されたことを知り、アカだと濡衣を着せられたジヌの弁護を引き受けることにする…。 最初金儲けの為に裁判官を辞めて弁護士になったウソクが、知人の息子の弁護を引き受け、事件を調べていくうちに、事件が全くのでっちあげであること、最初から検察や裁判官や弁護士が有罪を前提に処理しようとすること等、民主主義の正義が無いことに怒りを覚え、執念で無罪を主張する様が壮絶だった…。 マスコミも司法も全てが警察という権力寄りの超アウェイな状況でも、屈せず無罪と正義を主張する主人公の執念が凄くて。最終的に周りの人の心をも変えていく様子に心を打たれた。実在の裁判を基にしたストーリーらしい。
ポスターでも予告編でも、シリアスな社会派映画という印象だったのです...
ポスターでも予告編でも、シリアスな社会派映画という印象だったのですが、最初のほのぼのした入りで少し拍子抜けしてしました。 しかしそこからの落差がすごいです。 ほのぼのとしたごく普通の人々のごく普通の日常の中に、軍事政権の強権が介入してくる恐怖をよく描いています。 舞台は80年代ですが、朝鮮戦争の記憶や北朝鮮の脅威と文字通り隣り合わせな国で、共産主義(アカ派)というのは本当に敵国思想だったのだなぁとか、韓国が民主的な国になったのは本当に最近なのだなぁとか、見終わった後もやもや考えてしまいました。 実話が元になっているので終わり方もそんなにすっきりとはしません。しかし韓国映画はなかなか社会派な作品も多く面白いです。拷問シーンはかなりショッキングですが、ストーリーや時系列は分かりやすくドラマ性もあるので、社会派韓国映画入門?にもオススメな作品です。
国家VS弁護士
多くの顔をもつソン・ガンホですが、 今回はなんと猫のマネをします。 後半の弁護中の表情とのギャップが素晴らしいですね。 韓国の俳優はなぜこんなにも演技レベルが高いのだろうか・・・ ストーリーはよくある弁護士モノだったが、人権とは当たり前に有るものではないと再確認できた。国家の敵と認定されることで知ってしまう、国の残酷で狂暴な素顔。 国は誰のモノで誰のためにあるのか、改めて考えさせられるテーマでした。 この映画を見ていなければまったく知らない出来事だった、韓国の歴史の1ページ。知識として純粋に知れてよかった。 余談ですが、劇中機動隊のガスマスクと服装が映画「殺されたミンジュ」のそれと酷似していた、あれはオマージュだったのだろうか、それとも史実同様の装備だったのか 劇中セリフより 「古い借りは、口と足で返しな」 恩の有る人にはお金で恩返しよりも何度も会って会話したほうが感謝が伝わる。ってことですかね
予想外に熱い
韓国映画は不慣れであったため驚いた。 はじめは食い逃げのシーンなどコメディ色の強い気楽な作品かとおもえば、終盤に進むにつれて拷問シーンや結構重い場面が続き、そして人物たちの個々の思いが熱かった。 みんな国を良くしようという気持ちはあって、その良さが強さなのか、民主主義なのか、またその手段が民主的な司法の実現なのか、経済力の向上なのか、それぞれの思想がそれぞれの視点で彼らなりの正義を貫いていたところが熱かった。
打ちのめされた!
法とは何か。社会とは何か。正義とは何か。生活とは何か。思想とは何か。歴史とは何か。。 そんな事を延々と自問自答させられる、そして見せつけられる。 劇中でも散々出てくる豚汁のような、非常に濃い映画でした。
歴史考察の一助に
80年代韓国の混乱が手に取るように伝わり、現在、朴槿恵政権下で大規模デモが繰り広げられている「理由」の一端が垣間見える秀作。 主演のソンガンホはじめ、役者陣の演技もすこぶる良い。必見です。
1981年、国家保安法違反容疑にかけられた釜林(プリム)事件
盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領という記載は一切なし。 釜林事件ともいっていない。 法廷劇というより「それでもボクはやってない」を彷彿とさせる。公権力の濫用、劇中「デモで何が変わるのか」というくだりがあるが期せずして韓国は朴大統領の退陣を求めるデモの真っ盛り。
出だしとラストの温度差がなんとも。
ソンガンホが話の進みでどんどん豹変しちゃって…さすが。 実話モチーフ、って事だけど軍事政権の恐怖が強烈。民主主義になりきれてない時代の怖さ。 ラストの美しい終わり方も綺麗すぎる感もあるが納得いかない結末に一筋の光、って事でしょうか。 見応えたっぷりでした。
あれ、あれれ…先進国に遠いって納得!
好きな韓国人俳優、ソン・ガンホの主演作。 たまたま週刊新潮で、白井佳夫先生が「韓国の複雑な現実を理解する上でも、何かヒントがありそうな問題作である」と評し、82点と高得点を与えていたのを読んだので、作品に期待し、封切り翌日に映画館に行った。 が、期待はずれ。 貧しくて学歴がなく(商業高校卒)、それをバネに司法試験を突破してひょんなことから人権派、政治権力と闘うことになった弁護士を描いている。 作品のモデルは、2009年に周辺と自身の金銭スキャンダルの末に投身自殺したノ・ムヒョン大統領だ。 白井先生ご指摘のとおり、現在のパク大統領含めて、歴代大統領が必ず足元をすくわれる、その韓国を理解するための何かが描かれている、と思ったが。 映画が描くのは、左翼的な弁護士だった男の一面だけ。 過去に、反政府運動を取り上げた韓国映画は何本もあるだろうが、韓国の左翼、「市民」には一定の評価を下し、映画館に足を運ぶマーケットもあるのだろうが。 アカを挙げようとする公安警察と拷問される学生の描き方も類型的。学生=善で、警察=悪…っていうのは単純だ。 21世紀なんだから、もうちょっとひねってほしいものだ。 日本人にはつまらない内容だろう。 韓国映画は、なかなかいいものもあるのは認めるが、もうちょっと政治を描くにしても成熟したものがないと…。 やはりまだまだ先進国の域には達していない国だ、というしかない。
気迫に満ちた演技
私も先程試写を見終えました。とにかく俳優達が素晴らしいです。人間味のある豊かな表情、気迫に満ちた演技。ソンガンホが素晴らしい。初めから最後まで食い入るように見てしまった。80年代の韓国社会の闇。もし自分の身の周り、家族にこの様な事が起きたならゾッとします。是非オススメします。
ソン・ガンホにハズレ無し
先程、試写を鑑賞しました。 「JSA」「殺人の追憶」「義兄弟」に続くソン・ガンホの代表作。 国家の名の下に容疑をでっち上げる政府間に対し真の正義を貫く熱い弁護士に酔いました。
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