「ドミニカ版のリスベット?」エクスポーズ 暗闇の迷宮 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ドミニカ版のリスベット?
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刑事の仮面を被ったレイプ魔やチャイルド・マレスター(児童性虐待者)の父親とか碌な人間が出てこない、キアヌに至っては良いとこ無しの気もたせ役。観終わってみれば性犯罪者への憎悪と蔑みの社会派ミステリーの範疇かも知れないが明らかに宣伝文句と中身に齟齬ありです。
妙に信仰心を絡めた幻覚を挿入したり無意味なサイドストーリーではぐらかされるのでどういう種類の映画なのか理解に苦しみました。
元々は「Daughter of God(神の娘)」という題でイザベル(アナ・デ・アルマス)に焦点をあてていたのですが資金繰りの都合でライオンゲート(独立系プロダクション)に頼った為にキアヌ主演の犯罪スリラーに再編集され、怒った脚本・監督のジー・マリク・リントンは初監督作品にも関わらず偽名のクレジット、デクラン・デイルに差し替えたといういわくつきの映画らしい。どうりで中途半端なノワール系になってしまった。
この境遇、北欧ノワールならさしずめ、ミレニアムのリスベットなのだろう、イザベルは一見聖女にしか見えないが悪へのけじめのつけ方はリスベット並なのだから案外、似た者同士なのかもしれない。描き方次第ではもう少し面白くできたと思うが陰鬱なだけ、残念でした。
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